技能試験の材料(支給品)一覧:事前に確認して当日焦らない

候補問題によって使う材料が違う、という前提から始まる

第二種電気工事士の技能試験は、毎年1月に試験センターが公表する13の候補問題から1問が本番で出題される。つまり、どの問題が出るかによって、当日支給される材料の種類と数量が変わる。

「支給品一覧」は試験センターが候補問題の仕様書として公表しているが、問題ごとに構成が異なるため、「技能試験の材料といえばこれ」と一括りにはできない部分がある。それでも、どの候補問題にも共通して登場する材料、特定の問題にしか出ない材料、という大きな分類は把握しておける。

この記事では、技能試験で使われる主要材料を種類ごとに整理する。技能試験の全体像(候補問題の構造・試験時間・判定基準)とあわせて読むと、材料ごとの位置づけが掴みやすくなる。

試験で支給される材料と、自分で揃える材料

本番の試験会場では、受験番号の席に材料が並べられている状態でスタートする。電線・器具・スリーブ類はすべてその場で支給されるため、受験者は何も持ち込む必要がない(工具は持参が必要)。

一方、練習の段階では話が変わる。候補問題ごとの配線・施工をくり返すためには、電線・器具類を自分で揃えなければならない。電線は1回の練習で使い切るため、複数回分の量が必要になる。

現場で配線の経験があっても、試験で使う材料の規格や品番を把握していない人は意外と多い。試験で支給されるものと、練習用に自分で調達する必要があるものを混同しないよう、先に整理しておきたい。

主要な材料:種類と用途の整理

VVF(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル・平形)

技能試験で最も使用頻度が高い電線。2心と3心があり、断面積は1.6mmと2.0mmが主に使われる。どの候補問題にも必ずといっていいほど登場する。平形のため複線図上の「白・黒・赤」の色分けと対応しやすく、試験での作業性も高い。

VVR(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル・丸形)

VVFの丸形バージョン。外装がVVFより厚く、外装の剥き方もやや異なる。候補問題によっては出題されない場合もあるが、1問分のシェースの処理が苦手な人も多いため、練習しておく価値がある。

IV線(600Vビニル絶縁電線)

電線管の中に通す単線の電線。PF管・金属管が出題される候補問題では、管内にIV線を通す作業が含まれる。色は黒・白・緑などがある。

電線管(PF管・金属管)

候補問題によって使用の有無が変わる。PF管は合成樹脂製の可とう電線管、金属管は薄鋼電線管(ねじなし電線管)が試験では主流。管端処理(ブッシング・ロックナットの取り付け)が作業ポイントになる。電線管を使う候補問題は手順が多いため、出題されたときの対応を練習しておくと安心できる。

差込コネクタ

電線の接続に使う器具。リングスリーブの代わりとして使う場面と、候補問題の指定として使う場面がある。2本用・3本用・4本用など、電線本数に合わせた選択が必要。試験では差込コネクタを使う箇所が施工条件で指定されるため、見逃すと欠陥になる。

リングスリーブ

電線を圧着接続する際に使う筒形の金具。小・中・大のサイズがあり、接続する電線の本数と太さで使うサイズが決まる。圧着マーク(○・小・中)も対応が決まっているため、技能試験向けの対策セットには圧着工具とあわせて揃えておくとよい。

引掛シーリング(丸形・角形)

照明器具を天井に取り付けるための器具。丸形と角形があり、候補問題によって指定が変わる。電線の接続自体は差込式で簡単だが、接地側(白線)の向きを間違えると欠陥になる。

ランプレセプタクル

白熱電球をはめ込むソケット型の器具。ねじ端子に電線をつなぐ作業が必要で、芯線の長さ・ネジの締め付け具合が採点対象になる。候補問題では頻繁に登場する器具のひとつ。

露出型コンセント

壁面に直接取り付けるタイプのコンセント。端子がねじ式のため、ランプレセプタクルと同様に芯線処理と締め付けが重要。2極用が主に試験で使われる。

埋込連用器具(スイッチ・コンセント・パイロットランプ)

壁スイッチ・コンセントとして一般的に使われる埋込型の器具。1個から3個までの組み合わせが候補問題に登場し、渡り線の作り方・向きが技能試験の重要ポイントになる。

端子台

候補問題では変圧器の代替器具として端子台が登場する場面がある。端子台への接続は、指定の極性と向きに従って確実に締め付けることが求められる。実物の変圧器は試験に出てこないが、端子台への配線は実際の現場作業と共通する部分が多い。

アウトレットボックス・ジョイントボックス

電線の接続点を収める鉄製の箱。ノックアウト穴に電線管やボックスコネクタを取り付ける作業が含まれる。金属管が出題される候補問題には必ずセットで登場する。

ゴムブッシング・ブッシング・ロックナット

電線管とボックスの接続に使う部品。管端処理の仕上がりが欠陥判定の対象になるため、取り付け手順と向きを事前に確認しておく必要がある。

練習で自分が揃えるべき材料について

試験本番は支給されるからといって、練習時に材料をいい加減にしてよいわけではない。試験当日に初めて実物を触るような材料があると、作業手順の確認に時間を取られて40分が足りなくなる。

練習で最低限揃えるべきものは、電線(VVF 1.6mm・2.0mmの各サイズ)・リングスリーブ・差込コネクタ・主要器具(引掛シーリング・ランプレセプタクル・埋込スイッチ類)が基本になる。電線管や端子台は出題される候補問題が絞られるが、苦手な人は先に触っておいた方が無難。

材料を個別に揃えようとするとホームセンターや電材店を複数回り、かつ規格を間違えるリスクもある。候補問題対応の材料が一式まとまった技能試験対策の材料セットを使うと、揃え忘れや規格ミスを防げる。試験直前に材料が足りないと気づくのが一番困るパターンなので、早めに確認しておきたい。

まとめ

技能試験の材料は候補問題ごとに構成が変わるが、主要材料の種類と用途を先に把握しておくと、どの問題が出ても落ち着いて対応できる。

  • VVF・VVR・IV線は電線の基本。規格と本数の確認を練習段階から習慣にする
  • 差込コネクタとリングスリーブは施工条件で指定されるため、どちらを使うかを読み違えないことが重要
  • 引掛シーリング・ランプレセプタクル・端子台は器具ごとの接続手順を身体に染み込ませておく
  • 電線管・アウトレットボックス系は候補問題を確認してから重点的に練習するかを判断する
  • 練習用の材料は本番と同じ規格のものを用意する。材料セットを活用するのが確実