電圧降下早見表【VVF・CVサイズ×距離別】|単相2線・三相3線の一覧表
導入:「この距離この電流、1.6mmで足りる?」を即答したい
現場や打ち合わせの場で、「盤からここまで20mくらい、20A流したいけどVVF2.0mmで大丈夫?」と聞かれる場面があります。
毎回計算式を立てれば答えは出ますが、正直なところその場でパッと目安を知りたいことのほうが多いはずです。
この記事は、電線サイズ×距離×電流の組み合わせで電圧降下の目安を一覧表で即答するためのページです。
早見表で当たりをつけて、正確な数値が必要になったら計算ツールや計算解説の記事に進む、という使い方を想定しています。
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早見表の前提条件(必ず確認)
この記事の表は、すべて次の前提で作成した概算値です。
- 導体抵抗のみの概算です。力率・リアクタンス・温度の影響は考慮していません
- こう長(L)は片道の距離です(往復距離ではありません)
- 計算式は e[mV] = 35.6×I×L÷S(単相2線式)、e[mV] = 30.8×I×L÷S(三相3線式)を使用しています
- 単線サイズの断面積は、単線1.6mm→2mm²・2.0mm→3.5mm²・2.6mm→5.5mm²の慣用換算を使っています
そしてもうひとつ重要な注意です。
電線サイズは電圧降下だけでは決まりません。許容電流の確認が別途必須です。
早見表で「距離的にOK」でも、その電流を流せるサイズかどうかは 許容電流の確認ツール で必ずチェックしてください。
【表2】単相2線式100V:電圧降下2%以内に収まる最大こう長
最もよく使う表がこれです。単相2線式100V回路で、電圧降下を2%(2.0V)以内に収められる最大こう長[m]を、電線サイズ×電流別にまとめました。
※導体抵抗のみの概算・こう長は片道距離。許容電流の確認は別途必要です。
| サイズ | 10A | 15A | 20A | 30A | 50A |
|---|---|---|---|---|---|
| VVF1.6mm | 11.2 | 7.5 | 5.6 | 3.7 | 2.2 |
| VVF2.0mm | 19.7 | 13.1 | 9.8 | 6.6 | 3.9 |
| VVF2.6mm | 30.9 | 20.6 | 15.4 | 10.3 | 6.2 |
| CV5.5sq | 30.9 | 20.6 | 15.4 | 10.3 | 6.2 |
| CV8sq | 44.9 | 30.0 | 22.5 | 15.0 | 9.0 |
| CV14sq | 78.7 | 52.4 | 39.3 | 26.2 | 15.7 |
| CV22sq | 123.6 | 82.4 | 61.8 | 41.2 | 24.7 |
| CV38sq | 213.5 | 142.3 | 106.7 | 71.2 | 42.7 |
読み方の例:VVF2.0mmで20A流す場合、表の「VVF2.0mm×20A」を見ると9.8m。つまり片道9.8mまでなら電圧降下2%以内に収まる、という読み方です。
冒頭の「20mくらいでVVF2.0mm・20A」という質問なら、この表だけで「2%を超えるので見直しが必要」と即答できます。
【表3】三相3線式200V:電圧降下2%以内に収まる最大こう長
動力回路でよく使う三相3線式200Vの表です。電圧降下2%(4.0V)以内に収まる最大こう長[m]をまとめました。
基準電圧が200Vと高く、係数も30.8と小さいため、同じサイズ・同じ電流でも単相100Vより距離を延ばせます。
※導体抵抗のみの概算・こう長は片道距離。許容電流の確認は別途必要です。
| サイズ | 10A | 15A | 20A | 30A | 50A |
|---|---|---|---|---|---|
| VVF1.6mm | 26.0 | 17.3 | 13.0 | 8.7 | 5.2 |
| VVF2.0mm | 45.5 | 30.3 | 22.7 | 15.2 | 9.1 |
| VVF2.6mm | 71.4 | 47.6 | 35.7 | 23.8 | 14.3 |
| CV5.5sq | 71.4 | 47.6 | 35.7 | 23.8 | 14.3 |
| CV8sq | 103.9 | 69.3 | 51.9 | 34.6 | 20.8 |
| CV14sq | 181.8 | 121.2 | 90.9 | 60.6 | 36.4 |
| CV22sq | 285.7 | 190.5 | 142.9 | 95.2 | 57.1 |
| CV38sq | 493.5 | 329.0 | 246.8 | 164.5 | 98.7 |
読み方の例:CV8sqで20Aの動力負荷なら「CV8sq×20A」で51.9m。片道51.9mまでは2%以内、という読み方です。
【表1】電圧降下は実際何V?(単相2線式・20Aの場合)
「あと何V下がるのか」を具体的に知りたい人向けに、単相2線式・電流20Aの場合の電圧降下量[V]をこう長別にまとめました。
※導体抵抗のみの概算・こう長は片道距離。許容電流の確認は別途必要です。
| サイズ(断面積) | 10m | 20m | 30m | 50m |
|---|---|---|---|---|
| VVF1.6mm(2.0mm²) | 3.56 | 7.12 | 10.68 | 17.80 |
| VVF2.0mm(3.5mm²) | 2.03 | 4.07 | 6.10 | 10.17 |
| VVF2.6mm(5.5mm²) | 1.29 | 2.59 | 3.88 | 6.47 |
| CV5.5sq(5.5mm²) | 1.29 | 2.59 | 3.88 | 6.47 |
| CV8sq(8mm²) | 0.89 | 1.78 | 2.67 | 4.45 |
| CV14sq(14mm²) | 0.51 | 1.02 | 1.53 | 2.54 |
| CV22sq(22mm²) | 0.32 | 0.65 | 0.97 | 1.62 |
| CV38sq(38mm²) | 0.19 | 0.37 | 0.56 | 0.94 |
100V回路の2%は2.0Vです。表を見ると、VVF1.6mmは20A流すと10mでもう3.56V下がっており、2%を大きく超えています。
2%を超えたら、電線のサイズアップか、電圧・回路構成の見直しを検討します。具体的には、太い電線に変える・回路を分けて1回路あたりの電流を減らす・200V化する、といった選択肢があります。
計算式と根拠
この記事の表は、次の簡略式で計算しています。
- 単相2線式:e[mV] = 35.6 × I × L ÷ S
- 三相3線式:e[mV] = 30.8 × I × L ÷ S
ここで、I:電流[A]、L:こう長[m](片道)、S:電線の断面積[mm²]です。答えの単位がmV(ミリボルト)である点に注意してください。
式の意味や導出、手計算の例題は 電圧降下の計算方法をわかりやすく解説|単相・三相の計算式と具体例 で詳しく扱っています。
「2%以内」という基準は、幹線・分岐回路それぞれで標準電圧の2%以下に抑えるのが基本とされていることによります(こう長60m超は緩和あり)。
何%まで許されるかの根拠や考え方は 電圧降下は何パーセントまで許される?内線規程の基準 を参照してください。
また、単線サイズの断面積換算(1.6mm→2mm²・2.0mm→3.5mm²・2.6mm→5.5mm²)は、実務や試験で広く使われる慣用換算です。
よくある間違い
早見表を使うときにつまずきやすいポイントを3つ挙げます。
- 片道と往復の混同:こう長Lは片道距離です。係数35.6にすでに往復分(銅の抵抗率17.8の2倍)が織り込まれているため、往復距離を入れると電圧降下を2倍に見積もってしまいます
- 許容電流の確認漏れ:電圧降下がOKでも、そのサイズにその電流を流せるとは限りません。許容電流の確認ツールで必ず別途チェックしてください
- 概算であることを忘れる:この表は力率・リアクタンス・温度を無視した導体抵抗のみの概算です。長距離・大容量・力率の悪い負荷では、正確な計算で確認してください
まとめ
電圧降下の目安は、早見表で即答できます。
- 単相2線式100Vなら【表2】、三相3線式200Vなら【表3】で、2%以内に収まる最大こう長がすぐ分かる
- こう長は片道距離・導体抵抗のみの概算という前提を忘れない
- 電線サイズは電圧降下と許容電流の両方で決める
- 2%を超えたらサイズアップか電圧・回路構成の見直し
表にない条件や、境界ぎりぎりの判断が必要なときは、計算ツールで正確に確認しましょう。
