インパルス電圧」って何?
これは、一瞬だけ発生する高い電気のことです。たとえば…
・雷(かみなり)が近くに落ちたとき
落雷によって、電気回路に一瞬で非常に強い電圧が流れます。
・大きな機械のON/OFFする時
電気機器やモーターの動作によって、瞬間的に高い電圧が発生することがあります。
これらは一瞬だけの高電圧ですが、その電圧は通常の使用条件を大きく超えます。
そのため、電気機器が壊れてしまったり、最悪の場合は火花や発火を引き起こす可能性もあります。
「定格インパルス耐電圧」= どこまで耐えられるか?
“その機器が一瞬の高い電圧にどれだけ耐えられるか”を示す数字です。
たとえば、「2.5kV」と書かれていれば、
一瞬だけ「2,500ボルト」くらいの電気が来ても大丈夫!という意味です。
この電圧を超えてしまうと、部品が壊れてしまったり、回路が短絡してしまう可能性があります。
なぜ「定格インパルス耐電圧」が必要なのか?
この数字より高い電気が流れると…
・部品の破損
機器内部の部品が壊れてしまい、正常に動作しなくなります。
・絶縁の破損
電気を通さない部分(絶縁)がダメになり、ショートや漏電が発生することがあります。
・火花や発火
最悪の場合、機器から火花や発火する危険性もあります。
こうした事故を防ぐために、あらかじめどのくらまでの電気に耐えれるかを決めておくことがとても大切です!
どんなときにチェックが必要?
次のような場所や使い方をする場合は、特に注意してチェックしておきましょう!
・雷が多い地域で使用する
落雷によって、一時的に高い電圧がかかることがあります。
・大きな機械やモーターを頻繁に動かすような設備に使用する
電源の切り替え時に強い電圧が発生することがあります。
・屋外や工場の制御盤など、外に設置する制御盤や機器で使うとき
外部の影響を受けやすく、インパルス電圧がかかるリスクが高くなります。
・電線が長い場合
電気が伝わる間にノイズやサージが入りやすく、注意が必要です。
こういった場面では、インパルス電圧にしっかり耐えられる機会を選ぶことが大切です。
よくある部品で見てみよう
たとえば、三菱電機の CP30-BA という部品があります。
これは「サーキットプロテクタ」と呼ばれる装置で、簡単にいうと 電気回路を守るための安全スイッチ のようなものです。
この CP30-BA の仕様には、定格インパルス耐電圧:2.5kV(2,500ボルト) と書かれています。
これは「この部品は、一瞬だけ2,500ボルトの高い電圧がかかってもこわれない」
という意味です。雷や大きなスイッチの切り替えなどがあっても、
安心して使えるように設計されているんですね😊
「サーキットプロテクタってなに?」という方は…
こちらの記事でやさしく解説しています👇
サーキットプロテクタとは?仕組み・特徴・ヒューズとの違いをわかりやすく解説
まとめ
インパルス電圧とは、雷や大きな機械の動作時に一瞬だけ発生する高い電圧のことです。
これに耐えられるかを示すのが「定格インパルス耐電圧」で、部品選びの大切な目安となります。
使用する環境に合わせて、適切な定格インパルス耐電圧の部品を選ぶことが、機器を守るために重要です。