電線管(PF管・CD管・金属管)の処理:技能試験で出るレベル
技能試験で「電線管」が出たとき、何を確認するか
技能試験の候補問題の中には、電線管を扱う構成がいくつか含まれる。支給品に樹脂製の管や金属の管が入っていたとき、「どの管か」「どう処理するか」がすぐに判断できないと作業が止まる。
現場では電線管を日常的に扱うが、種類によって施工の作法は異なる。試験では「正しい部品を正しい順序で取り付けているか」が問われるため、管の種類と処理の組み合わせを整理しておく必要がある。
この記事では、試験に出るPF管・CD管・金属管(薄鋼電線管)の違いと、それぞれの処理方法を現場目線で整理する。複線図との関係については複線図の書き方:第二種技能試験の基本パターンを整理を参照してほしい。
PF管・CD管・金属管の違い:試験で押さえる3点
試験に登場する電線管は大きく3種類に分かれる。それぞれの外見と使われ方の違いを最初に頭に入れておくと、支給品を見た瞬間に判断できる。
PF管(合成樹脂製可とう電線管)
灰色・白色系の蛇腹状の樹脂管だ。曲げやすく、屋内の露出配管や隠蔽配管に広く使われる。試験では最も出る頻度が高い管のひとつで、PF管用コネクタを使ってアウトレットボックスに接続する構成が多い。
現場でも天井裏や壁の中でよく使う管なので、形は見慣れている人が多いはずだ。ただし試験では「コネクタをロックナットで固定する」「管をコネクタに十分差し込む」といった細かい手順が問われる。
CD管(合成樹脂製可とう電線管・コンクリート埋設用)
オレンジ色の蛇腹状の樹脂管で、コンクリート埋設専用だ。PF管と形状は似ているが、耐候性がないため露出では使えない。試験ではPF管との色の違いで判別する。
試験でCD管が単独で出ることは少ないが、支給品にオレンジの管が入っていたときに「これはCD管だ」とすぐ判断できることが重要だ。処理方法はPF管と同様で、専用コネクタを使う。
金属管(薄鋼電線管・E管)
鋼製の硬い管で、切断端部にはバリ処理が必要になる。アウトレットボックスへの接続にはロックナットと絶縁ブッシングを使う。現場では工場の露出配管やピットの中でよく見かける構成だ。
試験で金属管が出るときは、ロックナットの向き・絶縁ブッシングの取り付けが欠陥判定に直結するため、手順の正確さが要求される。
ノックアウト処理との関係
電線管をアウトレットボックスに接続するには、事前にノックアウト穴を打ち抜く必要がある。穴の径は接続する管の種類と外径に合わせて選ぶ。
穴径の確認と打ち抜き
試験では問題文や配線図に使用する管の種類と本数が示される。穴を打ち抜く前に「どの面に何本の管を通すか」を確認してから作業を始めることが重要だ。打ち抜き後に「穴が足りない」「向きが違う」となると時間のロスになる。
打ち抜きには支給工具の中からドライバーの柄やペンチを使う。専用のノックアウトパンチャーは試験には持ち込まない。
使わない穴はふさぐ
打ち抜いた穴に管を通さない場合はゴムブッシングで穴をふさぐ必要がある。この作業を忘れると欠陥になる。支給品にゴムブッシングが入っているときは、どの穴に使うかを最初に確認しておく。
電線管を通す穴にはゴムブッシングは不要で、金属管ならロックナット+絶縁ブッシング、PF管ならコネクタが保護の役割を果たす。接地との関係については接地の種別(A種・B種・C種・D種)の違いを整理するも参考にしてほしい。
試験での頻出パターンと作業の流れ
電線管が出る候補問題では、アウトレットボックスとの接続が中心になる。作業の流れを頭に入れておくと、試験当日に手が動きやすくなる。
PF管の施工手順(試験レベル)
- アウトレットボックスの該当面のノックアウトを打ち抜く
- PF管用コネクタをノックアウト穴にセットし、ロックナットで固定する
- PF管をコネクタに差し込み、ネジを締めて固定する
- PF管の反対端(電線の引き出し側)を処理する
金属管の施工手順(試験レベル)
- ノックアウト穴を打ち抜く
- 金属管の端部にロックナットを1枚通す(ボックス外側用)
- ノックアウト穴に金属管を差し込む
- ボックス内側からロックナットを締める
- 外側のロックナットを締めてボックス壁を挟む
- 金属管の内側口端に絶縁ブッシングを取り付ける
時間配分の目安
電線管の接続作業は工程数が多い。40分の試験時間の中で複線図の確認・電線の切断・接続端末の処理も行うことを考えると、管の接続だけで5分以上かけないことが目安になる。練習時間に「管の接続だけ」を繰り返して手順を体に染み込ませておく。
現場との違い:試験で引っかかりやすい箇所
現場で電線管施工の経験がある人は、「いつものやり方」が試験では欠陥になるケースがある。
- ロックナットの向き: 現場では感覚で締めることが多いが、試験ではギザギザ面をボックス壁に向けるルールが問われる。逆向きは欠陥になりうる
- 絶縁ブッシングの付け忘れ: 現場では「付けてあれば十分」という感覚が出やすいが、試験では付け忘れが即欠陥になる
- PF管の差し込み量: コネクタへの差し込みが浅いと欠陥になる。「カチッと止まるまで差し込む」を習慣にする
- ゴムブッシングの使い分け: 現場では省略することもあるが、試験では「使う穴・使わない穴」の判断が欠陥基準に含まれる
現場の「だいたいこうやる」という感覚は、試験の「ルール通りにやる」要求とずれやすい。特に部品の取り付け向きと付け忘れは、練習段階から意識して確認する習慣をつける。
まとめ
電線管の処理は種類ごとに使う部品と手順が決まっており、試験ではその組み合わせが問われる。支給品の管の色と形状で種類を判断し、対応する部品を正しい順序で取り付けることが合格への近道だ。
- PF管は灰色・蛇腹状。PF管用コネクタ+ロックナットで固定する
- CD管はオレンジ色・コンクリート埋設用。試験ではPF管と外見で区別する
- 金属管はロックナット(両側)+絶縁ブッシング(内側口端)がセット
- ノックアウト穴は使わない穴をゴムブッシングでふさぐことを忘れない
- 現場感覚よりも「部品の向き・付け忘れゼロ」を意識した施工を試験では求められる
