【第二種電気工事士】接地工事の種類A〜D種|接地抵抗値と施工箇所の覚え方
はじめに
「アース」とひとまとめに呼ぶことが多い接地ですが、学科試験ではA種・B種・C種・D種の4種類に分かれており、それぞれ接地抵抗値と施工場所が異なります。数値の暗記より「どの場所に何のために施す接地か」の対応を先に覚えると整理しやすいです。
本記事では電圧範囲マトリクスと過去問4択2問で、A〜D種の使い分けを一気に押さえます。第二種電気工事士の学科全体像は第二種電気工事士 学科試験の全体像を参照してください。
接地の目的
接地(アース)は主に2つの目的で施工します。
- 感電防止:機器の金属外箱に漏電が生じたとき、人体に電流が流れるのを防ぐ
- 異常電圧の抑制:雷サージや高圧と低圧の混触時に発生する異常電圧を大地に逃がす
4種類の接地工事
A種接地工事
高圧・特別高圧機器の金属製外箱・鉄台などに施す接地です。接地抵抗値:10Ω以下。最も厳しい基準が求められます。
B種接地工事
高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側中性点(または低圧側の1端子)に施す接地です。高圧と低圧が混触したときに低圧側の電圧上昇を抑えます。接地抵抗値:変圧器の高圧側電路の1線地絡電流に応じて決まる(試験では計算式より「B種は変圧器の低圧側」という対応で覚える方が実用的です)。
C種接地工事
300Vを超える低圧機器の金属製外箱などに施す接地です。接地抵抗値:10Ω以下(漏電遮断器を設置する場合は500Ω以下に緩和)。
D種接地工事
300V以下の低圧機器の金属製外箱などに施す接地です。一般家庭のコンセントのアース端子がこれにあたります。接地抵抗値:100Ω以下(漏電遮断器を設置する場合は500Ω以下に緩和)。
第二種電気工事士が扱う工事で最もよく登場するのがD種です。
接地抵抗値の比較表
| 種別 | 接地抵抗値 | 主な施工場所 |
|---|---|---|
| A種 | 10Ω以下 | 高圧・特別高圧機器の外箱 |
| B種 | 変圧器容量により決定 | 変圧器低圧側の中性点 |
| C種 | 10Ω以下(※) | 300V超の低圧機器の外箱 |
| D種 | 100Ω以下(※) | 300V以下の低圧機器の外箱 |
※ 漏電遮断器(0.5秒以内動作)を設置する場合は500Ω以下に緩和
電圧範囲で見る接地種別マトリクス(暗記表)
「どの電圧帯のどんな設備に、どの種別の接地を施すか」を一覧化したものが下表です。学科試験ではここがほぼそのまま選択肢の根拠になります。
| 適用範囲 | 接地工事種別 | 標準接地抵抗値 | 緩和措置(漏電遮断器0.5秒) |
|---|---|---|---|
| 高圧・特別高圧機器の外箱 | A種 | 10Ω以下 | なし |
| 変圧器低圧側の中性点 | B種 | 変圧器容量・地絡電流による | 規定外 |
| 300V超の低圧機器の外箱 | C種 | 10Ω以下 | 500Ω以下 |
| 300V以下の低圧機器の外箱 | D種 | 100Ω以下 | 500Ω以下 |
覚え方のコツは2つです。
- D種が試験で最頻出:第二種電気工事士の試験範囲は300V以下の低圧が中心のため、D種絡みの問題が圧倒的に多いです。
- 緩和措置は500Ωで統一:C種もD種も、漏電遮断器(0.5秒以内動作)を設置すれば一律「500Ω以下」まで緩和されると覚えます。
試験での覚え方
4種類を一度に暗記しようとすると混乱します。まず「D種は300V以下・100Ω・一般機器のアース」から固め、そこから上(C種→A種)に広げていく順番が覚えやすいです。B種は「変圧器の低圧側」という施工場所で別枠で覚えます。
学科試験で問われるパターン(過去問例)
実際の出題パターンを4択形式で2問確認しておきます。電圧範囲と緩和措置の数値がそのまま問われます。
第1問:施工箇所から接地種別を選ぶ
300V以下の低圧機器の金属製外箱に施す接地工事はどれか。
- ア.A種接地工事
- イ.B種接地工事
- ウ.C種接地工事
- エ.D種接地工事
答え:エ
解説:300V以下の低圧機器の外箱はD種接地工事です。300V超ならC種、高圧・特別高圧ならA種、変圧器低圧側の中性点ならB種と対応させて覚えます。
第2問:緩和措置による接地抵抗値の上限
D種接地工事において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に動作する漏電遮断器を設置したとき、接地抵抗値の上限は何Ω以下まで緩和されるか。
- ア.100Ω
- イ.200Ω
- ウ.300Ω
- エ.500Ω
答え:エ
解説:0.5秒以内に動作する漏電遮断器が設置されている場合、D種もC種も接地抵抗値の上限は500Ω以下に緩和されます。通常時のD種は100Ω以下、C種は10Ω以下なので元の数値と混同しないよう注意します。
まとめ
- A種:高圧機器・10Ω以下
- B種:変圧器低圧側の中性点・抵抗値は変圧器容量で決まる
- C種:300V超低圧機器・10Ω以下(漏電遮断器設置で500Ω以下に緩和)
- D種:300V以下低圧機器・100Ω以下(漏電遮断器設置で500Ω以下に緩和/最もよく出る)
学科試験全体の出題範囲・勉強順序は第二種電気工事士 学科試験の全体像で確認できます。接地まわりは関連分野とセットで押さえると理解が深まります。
→ 開閉器・配線用遮断器・漏電遮断器の違い(緩和措置で出てくる漏電遮断器の整理)
→ 受電方式と需要率・負荷率・不等率(A種・B種が登場する高圧受電の前提)
接地線サイズの選定は接地線サイズ選定ツールで確認できます。
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接地工事はA〜D種の数値暗記が必須。学科テキストで暗記表と過去問の両面から固めるのが最短です。
書籍情報 最終更新: 2026-05-28(楽天ブックスAPI)
