第二種電気工事士 学科試験とは?出題範囲・合格基準・試験時間まとめ【2026年版】

この記事は、第二種電気工事士の「学科試験」がどんな試験かを、これから受験する方・現場から資格を取りにいく方が地図を頭に入れるための整理です。出題範囲の細目や年度ごとの日程・受験料などは必ず一般財団法人 電気技術者試験センター(以下「試験センター」)の公表する試験要項・受験案内で確認してください(本記事の数値は変更され得ます)。

公式の学科試験の要点は、試験センター「第二種電気工事士の学科試験のポイント」にまとまっています。第二種電気工事士の学科試験のポイント(試験センター)

学科試験と技能試験の関係

第二種電気工事士試験は、大きく学科試験技能試験に分かれます。

  • 学科試験……知識が問われる選択式(四肢択一)の試験です。
  • 技能試験……手を動かす実技の試験です。原則として学科試験合格者(または学科免除者)が受験できます。

つまり多くの受験者は、先に学科を突破し、その後に技能を受ける流れになります。勉強をどちらから手を付けるかは、学科と技能、どちらから勉強すべき?現場出身向けの順番と落とし穴で整理しています。技能試験の練習用材料については、当サイトの技能試験対策セットの紹介記事も参考にしてください。

学科試験の受験方式:CBT方式と筆記方式

学科試験は、試験センターの説明によれば「筆記方式」か「CBT方式」のいずれかを選んで受験します(申込・手続きの詳細は要項に従ってください)。

  • 筆記方式……問題用紙とマークシートに解答する方式です。
  • CBT方式……指定会場のパソコン画面上で解答する方式です。受験申込完了後に、会場・日時の手続きが必要になる点に注意が必要です。

方式の違いは「解答の入れ方」であり、出題形式は四肢択一で同様という理解でよいです。操作感を知りたい方は、試験センターが案内するCBT体験版などを公式サイトから辿ってみてください。

試験時間・出題数・合格の目安

試験センター公表の「学科試験のポイント」では、次のように整理されています(変更される場合があるため、受験する年度の要項で必ず再確認してください)。

  • 試験時間:120分
  • 出題数:合計50問(うち一般問題が約30問配線図問題が約20問という割合)
  • 配点:1問2点(満点100点)
  • 合格の目安:得点が60点以上で合格となる試験です(30問分以上正解のイメージ)。

「約30問/約20問」は目安の内訳であり、年度や出題方針で表れ方が変わり得ます。ここは暗記で固定せず、毎年の要項に追随するのが安全です。

学科試験の「7科目」と範囲の考え方

学科試験は、試験センターが示す次の7科目から出題されます(科目名は要項の表記に合わせています)。

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  4. 電気工事の施工方法
  5. 一般用電気工作物等の検査方法
  6. 配線図
  7. 一般用電気工作物等の保安に関する法令

各科目の細かい出題範囲は、試験要項の「出題範囲」および例題が起点になります。本サイトでは今後、現場の作業や既存記事(計算・材料・機器)とつながる単元から順に整理していきます。

第二種電気工事士 学科試験の出題分野と問題数:電気理論・配線設計・電気機器等の分野別問題数と割合
学科試験の出題分野と問題数(合計50問)

7科目別の出題傾向と優先度(学習優先度の目安)

50問の内訳は年度で揺れますが、過去の出題傾向を踏まえると科目ごとに「だいたいの問題数」と「学習の重さ」が見えてきます。満点ではなく60点を取りに行く戦略を立てるための地図として、各科目の目安を表にまとめました(数値は過去の出題実績ベースの目安。年度ごとの揺れは要項・過去問で再確認してください)。

科目 目安出題数 難易度 学習優先度 関連解説
電気に関する基礎理論 約5〜6問 計算が苦手だと重い (毎年確実に出る) オームの法則・直列並列の計算直流・交流の基礎電力・電力量・力率
配電理論及び配線設計 約5〜6問 √3・電圧降下の式に慣れが必要 (計算系の山場) 低圧配線方式(単相2線式〜三相4線式)電圧降下の計算問題三相交流の必要なところだけ
電気機器、配線器具並びに材料・工具 約7〜8問 暗記中心で取り組みやすい (点を稼ぎたい暗記科目) 開閉器・漏電遮断器・配線用遮断器電線・ケーブルの種類と許容温度モーター・変圧器の最低限
電気工事の施工方法 約5〜6問 現場感覚があると有利 中〜高(現場経験者は得点源) 接地の種別と目的(A〜D種)電線管(PF・CD・金属管)の処理
一般用電気工作物等の検査方法 約3〜4問 数値暗記がポイント (取りやすい数値問題) 電気設備の技術基準:数値の探し方
配線図 約20問(後半20問) 図記号と読図が鍵 最優先(配点全体の4割) 単線結線図の読み方
一般用電気工作物等の保安に関する法令 約2〜3問 条文の言い回しに慣れが必要 (出題数は少ないが落とせない) 電気事業法と電気工事士法

表でわかる通り、配線図(後半20問)だけで全体の40%を占めます。ここを落とすと60点ラインに届きません。次に重いのは電気機器・材料の暗記基礎理論・配線設計の計算です。

計算系(基礎理論・配線設計)と暗記系(機器・材料・施工・法令)はバランス良く回すのが基本ですが、現場経験者は暗記系と施工で先に下地を作り、計算系を後から詰めるとリズムが作りやすいです。逆に未経験者は計算系から手を付けて思考の型を作るほうが結果的に楽になることが多いです。

学科試験の代表例題(出題イメージをつかむ)

「学科ってどんな問題が出るの?」を一気に体感するため、5分野から1問ずつ・計5問の代表例題を用意しました。実際の試験は四肢択一です。出題パターンに沿った例題として作成しているので、本番形式の感覚をつかむ用途で活用してください(条件・数値は一般化しています)。

例題1:基礎理論(オームの法則・合成抵抗)

図のように、抵抗 R₁=4Ω、R₂=6Ω が並列接続され、その合成抵抗に 12V の直流電圧を加えた。回路に流れる全電流〔A〕の値は次のうちどれか。

  1. 2.0
  2. 3.0
  3. 5.0
  4. 6.0

→ 解答:C(5.0A) 合成抵抗 R = (4×6)/(4+6) = 2.4Ω、I = 12/2.4 = 5.0A。

→ 関連解説:オームの法則・直列並列の計算:学科の計算問題

例題2:配線設計(電圧降下)

単相2線式回路で、こう長20m、電線の電気抵抗が 1km あたり 5.65Ωの 2.0mm 軟銅線を用い、負荷電流が 10A 流れた。このときの電圧降下〔V〕の値として最も近いものは次のうちどれか。

  1. 1.1
  2. 2.3
  3. 4.5
  4. 5.7

→ 解答:B(2.3V) 単相2線式の電圧降下 e = 2 × R × L × I = 2 × 5.65 × (20/1000) × 10 ≒ 2.26V。

→ 関連解説:電圧降下の計算問題を現場の「太さ・長さ」で理解する

例題3:電気機器・材料(配線用遮断器)

低圧の電路に施設する配線用遮断器(住宅用分電盤に用いる一般的なもの)について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 過電流が流れたとき自動的に電路を遮断する。
  2. 定格電流の1倍の電流では、自動的に動作しないものでなければならない。
  3. 過負荷電流に対しては、長時間動作しないものほど良い。
  4. 定格電流を超える短絡電流が流れたとき、瞬時に電路を遮断する。

→ 解答:C 過負荷電流に対しては、電流の大きさに応じて適切な時間内に動作することが求められる(長時間動作しないと電線が焼損する)。

→ 関連解説:開閉器・漏電遮断器・配線用遮断器:学科での区別

例題4:施工方法(接地工事)

使用電圧 200V の電動機の鉄台に施す接地工事の種別として、正しいものは次のうちどれか。

  1. A種接地工事
  2. B種接地工事
  3. C種接地工事
  4. D種接地工事

→ 解答:D 使用電圧 300V 以下の低圧用機器の鉄台・金属製外箱はD種接地工事が原則。

→ 関連解説:接地の種別と目的:A種・B種・C種・D種の違い

例題5:法令(電気工事士法)

第二種電気工事士の免状を持つ者が、一般用電気工作物に対して行ってはならない作業は次のうちどれか。

  1. 配線器具を造営材に取り付ける作業
  2. 電線管を曲げ、電線管相互を接続する作業
  3. 自家用電気工作物(最大電力500kW未満)の低圧部分の電気工事
  4. 金属製のボックスを造営材に取り付ける作業

→ 解答:C 第二種は一般用電気工作物に限定され、自家用電気工作物の低圧部分(認定電気工事従事者の範囲)には別途資格が必要。

→ 関連解説:電気事業法と電気工事士法:学科で何を覚えるか

5問解いてみて「ここは取れる/ここは怪しい」が見えたら、その科目の関連解説から潰していくのが効率的です。本格的な演習は学科 練習クイズ(65問ランダム出題)で量をこなしてください。

現場の知識は学科でどこまで効く?

現場経験があると、材料の名前・器具の見た目・施工の流れはイメージしやすく、科目3・4あたりは取りこぼしにくいことがあります。一方で、法令の条文体系・配線図の読み取り・試験特有の言い回しは、現場だけでは足りないことが多いです。

当サイトの次の記事は、学科の計算や材料の基礎につながります。

まとめ

  • 学科試験は四肢択一50問・120分が基本形(内訳・合格点は要項で確認)。
  • 受験方式は筆記かCBTを選ぶ(手続きが異なる)。
  • 出題の柱は7科目。細目は試験要項と例題が正。
  • 技能試験は原則学科合格(または免除)の後

試験概要の全体像は、試験センター「第二種電気工事士の試験概要」も併せて参照してください。第二種電気工事士の試験概要(試験センター)

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合格後のキャリアを考える

学科試験の合格が見えてきたら、働く場所・年収・将来性についても考え始めるタイミングです。電気工事士の資格は業種をまたいで通用しますが、職場によって仕事内容・年収・働き方は大きく違います。「合格後にどこで働くか」のイメージを早めに持つと、勉強のモチベーションも持続しやすいです。

学科試験の各テーマ解説

参考文献・出典

本記事の整理の根拠は、主として一般財団法人 電気技術者試験センターが公表する次のページです(2026年時点で確認)。

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