【第二種電気工事士】単線結線図の読み方|記号一覧と読み取りパターン【学科試験対策】
はじめに
現場で「図面見てくれ」と渡されることはあっても、単線結線図の記号をきちんと説明できるかというと、意外と自信がないという人は多いです。学科試験では図面の読み取り問題が出ますが、第二種のレベルは「どの機器がどこに入っているかを読む」程度です。設計できるレベルは不要です。
この記事では、第二種で必要な範囲に絞って、記号の早見表と過去問でどう問われるかを整理します。
→ 学科全体の進め方は 第二種電気工事士 学科試験の全体像と勉強の進め方 も参考にしてください。
単線結線図とは
単線結線図は、電気設備の系統を1本の線で簡略化して表した図です。実際の配線本数に関わらず1本の線で表現し、機器の位置・接続関係・系統の流れを把握するために使います。
単線結線図と複線図の違い(比較表)
試験では「単線」と「複線」のどちらが出ているのかを最初に見分けます。違いを表で整理します。
| 項目 | 単線結線図 | 複線図 |
|---|---|---|
| 線の数 | 1本にまとめて表現 | 実際の配線本数で描く |
| 用途 | 系統全体の構成・機器配置を把握する | 実際の結線・接続点を確認する |
| 試験での出方 | 引込口〜分電盤の構成を読む問題で出る | 技能試験の課題図で出る |
学科では単線結線図を「読む」、技能では複線図を「描く」、と役割が分かれていると考えると整理しやすいです。
よく出る記号と機器
機器記号 早見表
第二種で押さえておきたい記号と意味を一覧にします。記号の細かい形状より「どこに入る機器か」を覚える方が試験対策としては効きます。
| 機器 | 略号 | 意味 | 結線図上の位置 |
|---|---|---|---|
| 変圧器 | TR | 高圧を低圧に変換 | 系統の高圧側〜低圧側の境目 |
| 配線用遮断器 | MCCB | 過電流で自動遮断 | 分電盤の各分岐回路 |
| 漏電遮断器 | ELCB(=ELB) | 漏電で自動遮断 | 分電盤の主幹や水回り分岐 |
| 電力量計 | WH | 使用電力量の計測 | 引込口の近く |
| 電流計 | A | 電流値の計測 | 計測したい回路の直列 |
| 電圧計 | V | 電圧値の計測 | 計測したい箇所の並列 |
※ 漏電遮断器の略号は試験テキストでは「ELCB」が主で、現場では「ELB(Earth Leakage Breaker)」も同じ意味で使われます。同義の別表記として覚えておけば十分です。
変圧器(TR)
高圧を低圧に変換する機器です。結線図では円が2つ並んだ記号で表されます。1次側(高圧)と2次側(低圧)の区別を意識して読みます。
→ モーター・変圧器の覚え方|誘導電動機の同期速度・変圧器の巻数比
遮断器(MCCB・ELCB)
回路を遮断する機器です。配線用遮断器はMCCB、漏電遮断器はELCBと略記されます。記号は四角形や特定の記号で表されます。どの位置に何の目的で入っているかを読み取ります。
母線(バスバー)
複数の回路が接続される共通の電線路です。太い横線で表されることが多く、ここから各回路に電力が供給される「幹」の部分です。
電力量計(WH)・電流計(A)・電圧計(V)
計測器の記号も頻出です。○の中にアルファベットが入った記号で表されます。電流計は回路に直列、電圧計は並列で入る点を意識すると位置を読み違えにくくなります。
接地(アース)
結線図では機器の下から線が出て接地記号で終わる形で描かれます。第二種では「どの機器に接地が必要か」を別の問題で問われるので、結線図上では位置を見落とさないようにします。
過去問でどう出るか(学科試験例題)
単線結線図の問題では「何がどこに入っているか」を読み取ることが求められます。よくある問われ方を例題で確認します。
例題①|引込口に設置される機器
一般用電気工作物(住宅)の単線結線図において、引込口の直後に設置される機器として最も適切なものはどれか。
- ア.変圧器(TR)
- イ.電力量計(WH)
- ウ.電流計(A)
- エ.接地端子のみ
解答:イ
一般住宅では電力会社からの低圧引込線がそのまま入ってくるため、まず電力量計で使用量を計測してから分電盤に入ります。変圧器(ア)は高圧受電の建物に出てくるので第二種の問題範囲では引込口に来ません。電流計(ウ)は分岐回路や計測対象に入るもので、引込口直後の固定機器ではありません。
例題②|単線結線図と複線図の使い分け
単線結線図と複線図の説明として正しいものはどれか。
- ア.単線結線図は実際の配線本数を描き、複線図は1本で簡略化する
- イ.単線結線図は系統の構成を1本で簡略化し、複線図は実際の配線本数で描く
- ウ.単線結線図と複線図は同じものを指す
- エ.単線結線図は技能試験でのみ使われる
解答:イ
単線結線図は「系統全体を1本で簡略化」、複線図は「実際の配線を全部描く」。学科で出るのは主に単線結線図の読み取り、技能で出るのは複線図を描く問題です。アは説明が逆、ウは別物なので誤り、エは学科でも単線結線図が出るので誤りです。
読み取り3つのコツ
- 「電源から負荷へ」の方向を意識して図を追う
- 引込口→電力量計→主幹遮断器→分岐回路の順で見ていく
- 計測器(A・V・WH)は記号の○の中の文字で見分ける
慣れないうちは、図の左上か上端の引込口を起点に下や右へたどる、と決めておくと混乱しにくくなります。
まとめ
- 単線結線図は系統の接続関係を1本で簡略化した図。設計できる必要はなく「読み取れればよい」
- 変圧器(TR)・配線用遮断器(MCCB)・漏電遮断器(ELCB)・電力量計(WH)の記号と位置を覚える
- 「電源から負荷への流れ」を意識し、引込口から順にたどって読む
- 単線結線図は学科で「読む」、複線図は技能で「描く」と役割が分かれている
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