モーター・変圧器の最低限:学科で止める範囲の整理
はじめに
モーターや変圧器は現場でよく扱う機器ですが、学科試験で問われる深さは限られています。この記事では「第二種の学科で止める範囲」に絞って整理します。詳細な設計計算は第一種以上の範囲なので、ここでは触れません。
誘導電動機(モーター)の基本
工場・現場で使うモーターの多くは三相誘導電動機です。学科で問われやすい点を整理します。
同期速度と滑り
誘導電動機の回転速度は電源の周波数と極数で決まります。
同期速度(Ns)= 120 × f ÷ p(f:周波数[Hz]、p:極数)
実際の回転速度は同期速度より少し遅く、その差を「滑り」と呼びます。試験では「周波数が50Hzと60Hzで速度が変わる」点や、滑りの概念が問われることがあります。
始動電流
誘導電動機は起動時に定格電流の数倍の突入電流が流れます。この始動電流を抑えるためにスターデルタ始動などの方法が使われます。試験では「始動電流が大きい」という特性として覚えておきます。
変圧器の基本
変圧器は交流電圧を変換する機器です。配電では6600Vを200Vや100Vに降圧するために使われます。
巻数比と電圧・電流の関係
変圧器の1次側と2次側の電圧・電流は巻数比で決まります。
V1 / V2 = N1 / N2(V:電圧、N:巻数)
電圧比と電流比は逆の関係になります(電圧が上がれば電流は下がる)。試験では「巻数比2:1のとき2次側電圧は何Vか」という計算で出ます。
効率と損失
変圧器には「鉄損」(コアの損失、負荷に関わらず一定)と「銅損」(巻線の抵抗損失、負荷電流の2乗に比例)があります。試験では損失の種類と特性の区別が問われることがあります。
まとめ
- 誘導電動機の同期速度は Ns = 120f ÷ p、実速度は同期速度より少し遅い
- 起動時は大きな始動電流が流れる
- 変圧器の電圧比は 巻数比に比例、電流比は逆比例
- 鉄損は負荷によらず一定、銅損は負荷電流の2乗に比例
