【第二種電気工事士】三相交流の計算|線間電圧・相電圧・√3まとめ

はじめに

三相交流は現場で動力として毎日触れていても、「線間電圧と相電圧の違い」「√3が出てくる理由」を聞かれると言葉に詰まる人が多いです。学科試験で問われる範囲は限られています。この記事では試験に出る部分だけに絞って整理します。

三相交流とは

三相交流は、位相が120°ずつずれた3つの交流電圧を組み合わせた電源方式です。単相より効率よく電力を送れるため、工場・ビルの動力(モーター等)に広く使われています。

現場で「動力」「三相200V」と呼んでいるのがこれです。配線方式としては三相3線式が基本です。

三相交流ベクトル図:U・V・Wの3電圧ベクトルが120°ずつずれている図
三相交流の3つの電圧ベクトル(120°ずれ)

低圧配線方式(単相2線式〜三相4線式)を押さえる

線間電圧と相電圧

三相回路には2種類の電圧があります。

  • 線間電圧(VL):2本の電線間にかかる電圧。計器や銘板に書かれる「200V」はこれ
  • 相電圧(VP):各相の巻線(コイル)にかかる電圧

Y結線(スター結線)では VL = √3 × VP の関係があります。試験では「線間電圧200Vのとき相電圧は何Vか」という計算で出ることがあります。

√3 ≒ 1.73 として計算します。

線間電圧VLと相電圧Vpの関係図:VL=√3×Vp、三相3線200VではVp≒115V
線間電圧と相電圧の関係(VL=√3×Vp)

よく使う線間電圧・相電圧の早見表

試験で出やすい組み合わせと、現場で実際に見かける電圧を一覧にしておきます。Y結線で「VP = VL ÷ √3」(√3 ≒ 1.73)で計算した値です。

線間電圧 VL 相電圧 VP(VL ÷ √3) 用途・備考
100V 約57.7V 一般家庭の単相系(参考)
200V 約115V 三相動力 標準。試験頻出
400V 約231V 大型動力(一部工場)
415V 約240V 海外規格
440V 約254V 北米・大型機械

試験では 線間200V ↔ 相電圧115V の組み合わせがもっともよく出ます。まずこの一組をセットで暗記しておくと、計算問題で「あ、これだ」と即座に式が立てられます。

Y結線とΔ(デルタ)結線の違い

三相の結線方式にはY結線(スター結線)Δ結線(デルタ結線)の2種類があります。学科試験ではY結線が中心ですが、両方の関係式を押さえておくと選択肢を絞るときに迷いません。

結線方式 電圧の関係 電流の関係 主な用途
Y結線(スター) VL = √3 × VP IL = IP 動力・送電
Δ結線(デルタ) VL = VP IL = √3 × IP モータ巻線・変圧器

覚え方は単純で、「Y結線は電圧に√3、Δ結線は電流に√3」です。どちらの結線でも三相電力の式は P = √3 × VL × IL × cosθ で共通になります(線間電圧と線電流で計算する場合)。

三相電力の計算式

三相回路の電力は次の式で求めます。

P = √3 × VL × IL × cosθ(VL:線間電圧、IL:線電流、cosθ:力率)

力率1(抵抗負荷)の場合は P = √3 × VL × IL になります。

試験では「三相200V・電流10A・力率0.8の回路の電力は何kWか」という形で出ます。√3 ≒ 1.73 を使って計算します。

学科試験の代表例題(過去問形式)

三相交流の頻出パターンを3問用意しました。試験本番では数値や条件を変えて出題されますが、押さえどころは同じです。手を動かして解いてから解説を読んでみてください。

例題1:Y結線・線間電圧200Vのとき相電圧は?

問題:Y結線(スター結線)の三相回路で、線間電圧が200Vのとき、相電圧はおよそ何Vか。

解答:約115V

解説:Y結線では VL = √3 × VP なので、VP = VL ÷ √3 = 200 ÷ 1.73 ≒ 115.6V。試験では「約115V」「およそ115V」の選択肢が正解になります。

例題2:三相200V・電流10A・力率0.8の電力は?

問題:三相200V、線電流10A、力率0.8の回路の消費電力はおよそ何kWか。

解答:約2.77kW

解説:P = √3 × VL × IL × cosθ = 1.73 × 200 × 10 × 0.8 = 2,768W ≒ 2.77kW。力率がある問題は「√3 × 電圧 × 電流 × 力率」の順で機械的に当てはめれば取れます。

例題3:三相3線式・線間200V・電流8Aで力率1のときの消費電力は?

問題:三相3線式・線間電圧200V、線電流8A、力率1の負荷における消費電力はおよそ何kWか。

解答:約2.77kW

解説:力率1(抵抗負荷)なので P = √3 × VL × IL = 1.73 × 200 × 8 = 2,768W ≒ 2.77kW。例題2と最終値がほぼ同じになるのは「電流10A×力率0.8 = 電流8A×力率1」で実効的な電流値が一致するためです。試験ではこの「力率を含めた実質電流」の感覚を掴んでおくと、選択肢を素早く絞れます。

試験でよく出る√3の扱い

三相の問題で√3が出てくる場面は主に2つです。

  • 線間電圧と相電圧の変換(VL = √3 × VP)
  • 三相電力・電圧降下の計算(係数として√3が登場)

√3 ≒ 1.73 を使った計算を過去問で1〜2回練習しておくと、試験本番で迷わなくなります。

電圧降下の計算で三相の係数がどう使われるかはこちらで確認できます。

電圧降下の計算問題【学科対策】

まとめ

  • 三相交流は位相が120°ずれた3つの交流の組み合わせ
  • Y結線では 線間電圧 = √3 × 相電圧
  • 三相電力は P = √3 × VL × IL × cosθ
  • √3 ≒ 1.73 で計算する

電力・電力量・力率:学科の計算を整理する

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電線・ケーブルの種類と許容温度:学科の暗記

三相電力の計算は三相電力計算ツールで確認できます。

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三相交流の計算は√3の扱いに慣れるかどうかで得点が変わります。過去問題集で実戦パターンを身体に染み込ませるのが効果的です。

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三相交流を実務で使う職場

三相200V・三相400Vは、工場・プラント・大型ビル・データセンターなどの動力設備でほぼ必ず登場します。学科で覚えた線間電圧・√3・三相電力の感覚は、現場でモーター・変圧器・受電盤を扱う仕事に直結します。

「資格を取った後、どんな職場で三相を扱うのか」をイメージしておくと、計算問題の意味も腑に落ちやすくなります。