【第二種電気工事士】電線・ケーブルの種類と許容温度まとめ|IV/VVF/CV

はじめに

学科試験で「この電線の最高許容温度は?」「VVFケーブルの用途は?」と問われたとき、現場で見慣れているはずの電線なのに答えられない——そういうケースは多いです。

現場では見た目や使い分けで覚えているものが、試験では正式名称・記号・数値で問われます。この記事では、試験に出やすい電線・ケーブルの種類と許容温度を、現場の感覚と結びつけながら整理します。

電線とケーブルの違い

試験では「電線」と「ケーブル」を区別して問われることがあります。

  • 電線:導体に絶縁被覆を施したもの。シース(外装)はない
  • ケーブル:電線をさらにシース(外装)で保護したもの

現場では「電線」と「ケーブル」を混用することもありますが、試験では構造の違いを意識しておく必要があります。

主な電線の種類と特徴

IV線(600V ビニル絶縁電線)

一般配線でもっとも広く使われる電線です。絶縁被覆はビニル(PVC)で、シースはありません。最高許容温度は60℃です。

屋内配線・制御盤内配線など用途は広いですが、屋外や水気のある場所には単体では使いにくいです。絶縁電線の基本として試験でも頻出です。

絶縁電線とは?IV線・VVFとの違いをやさしく解説

HIV線(600V 二種ビニル絶縁電線)

IVの耐熱版です。絶縁材料に耐熱性の高いビニルを使用しており、最高許容温度は75℃です。配電盤・分電盤内など熱がこもりやすい場所で使われます。

KIV(600V 電気機器用ビニル絶縁電線)

制御盤・電気機器の内部配線向けに設計された電線です。細い素線を束ねた撚線構造で、柔軟性があります。最高許容温度は60℃です。

許容電流の詳細は下記にまとめています。

KIV許容電流一覧(代表値)

主なケーブルの種類と特徴

VVFケーブル(600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル 平形)

家庭・一般建物の屋内配線で最もよく使われるケーブルです。平たい断面が特徴で、「フラットケーブル」とも呼ばれます。最高許容温度は60℃です。

第二種電気工事士の技能試験でも必ず登場します。芯数は2芯・3芯が一般的です。

VVRケーブル(600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル 丸形)

VVFの丸形バージョンです。断面が円形で、可とう性が求められる場所や引込線に使われます。最高許容温度は60℃です。

CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)

絶縁材料に架橋ポリエチレンを使用したケーブルです。耐熱性・耐水性に優れ、最高許容温度は90℃です。幹線や動力回路など比較的大きな電流が流れる場所で使われます。

EM-EEFケーブル(エコ電線・600V EM 耐燃性ポリエチレン絶縁ビニルシース)

環境配慮型のケーブルで、絶縁材料に鉛・ハロゲンを含みません。焼却時に有害なガスを発生させにくいため、最近の住宅・学校・公共施設で採用が増えています。

最高許容温度は75℃。用途はVVFとほぼ同じ屋内配線で、見た目もVVFに近いですが、価格はVVFよりやや高めです。

学科試験では「環境配慮型のケーブル」「鉛・ハロゲンを含まないケーブル」「最高許容温度75℃のケーブル」といった切り口で問われます。記号の「EM」が「Eco Material(エコマテリアル)」の略であることを押さえておくと、初見でも引き出しやすいです。

許容温度の比較

試験では許容温度の数値を選ぶ問題が出ることがあります。代表的なものをまとめます。

電線・ケーブル 最高許容温度
IV・KIV・VVF・VVR 60℃
HIV 75℃
CV 90℃

「IVは60℃、CVは90℃」の2点を軸に覚えておくと、選択肢を絞りやすいです。

主要電線・ケーブルの比較表:IV・VVF・EM-EEF・CVなど、許容温度・用途・外観特徴
主要な電線・ケーブルの種類と許容温度まとめ

記号と正式名称の対応表(暗記用)

電線・ケーブルの記号は、英語の頭文字から来ているものがほとんどです。意味を分解しておくと、選択肢で迷ったときに思い出しやすくなります。

記号 正式名称(覚え方)
IV Insulated Vinyl(ビニル絶縁電線)
HIV Heat-resistant IV(二種=耐熱)
KIV 機器用(Kiki)IV
VVF Vinyl Vinyl Flat(平形)
VVR Vinyl Vinyl Round(丸形)
CV Cross-linked polyethylene + Vinyl
EM-EEF Eco Material + EEF(環境配慮型)

記号の意味が分かると暗記が一気に楽になります。たとえばVVFの最後の「F」は平形(Flat)、VVRの「R」は丸形(Round)。CVの「C」は架橋(Cross-linked)で、これが許容温度90℃の根拠になっています。

施工場所別の使い分け早見表&代表例題

学科試験では「○○の場所に使うケーブルはどれか?」という形でも問われます。現場で何となく使い分けている感覚を、用途ごとに整理しておきましょう。

施工場所別の使用可否(早見表)

施工場所 推奨される電線・ケーブル
一般住宅の屋内配線 VVF(平形)、EM-EEF
引込線(屋外) VVR(丸形)、CV
分電盤内配線 IV、HIV(熱対策)
制御盤内配線・機器内部 KIV(柔軟性)
大電流の幹線・動力 CV(許容温度90℃)
高温環境 HIV(75℃)、CV(90℃)

「住宅=VVF」「盤内=IV/HIV」「機器内部=KIV」「動力・幹線=CV」の4つの基本セットを押さえれば、施工場所の問題は大体カバーできます。

代表例題(3問)

例題1 次のうち、最高許容温度が90℃の電線はどれか。

  1. IV
  2. VVF
  3. CV
  4. KIV

解答:3(CV)

解説:CVは架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル。架橋(Cross-linked)処理により耐熱性が大幅に向上しており、許容温度は90℃。IV・VVF・KIVはいずれも60℃です。

例題2 一般住宅の屋内配線で最もよく使われるケーブルはどれか。

  1. VVF
  2. CV
  3. KIV
  4. IV

解答:1(VVF)

解説:VVF(平形)は住宅の屋内配線の定番。技能試験でも必ず使うケーブルです。CVは幹線・動力向け、KIVは機器内部、IVは盤内配線が主な用途。

例題3 環境配慮型で鉛・ハロゲンを含まない電線はどれか。

  1. IV
  2. EM-EEF
  3. HIV
  4. VVR

解答:2(EM-EEF)

解説:EM(Eco Material)はエコマテリアルの略。鉛・ハロゲンを含まない環境配慮型のケーブルで、最高許容温度は75℃。最近の試験で出題頻度が上がっています。

まとめ

  • 電線はシースなし、ケーブルはシースあり
  • IV・VVF・KIVの許容温度は60℃
  • HIVは75℃、CVは90℃——耐熱性の高い材料ほど温度が上がる
  • 現場での名称と試験用語(記号)を対応させて覚えると混乱が少ない

学科試験の全体像はこちらから確認できます。

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