【第二種電気工事士】低圧配線方式まとめ|単相2線式〜三相4線式

はじめに

「単相と三相の違いはわかるけど、2線式・3線式・4線式で何が変わるの?」——現場で三相動力を扱っていても、試験で問われる配線方式の区分に戸惑う人は少なくありません。

この記事では、学科試験で出題される低圧配線方式4種類を整理します。電圧の種類・線数・用途を対応させながら覚えると混乱が減ります。

配線方式の4種類

単相2線式(1φ2W)

電圧線1本+中性線1本の合計2本で構成します。主に100Vの回路に使われます。家庭のコンセントや照明回路が典型例です。

単相2線式100Vの配線図:電柱の変圧器から2線で引き込む構成
単相2線式(100V)の基本構成

試験では「100Vが取れる方式」として登場することが多いです。

単相3線式(1φ3W)

電圧線2本+中性線1本の合計3本で構成します。100Vと200Vの両方が取れるのが特徴です。一般住宅の引込みに広く使われており、エアコンや電子レンジなど200V機器と、照明・コンセントの100V回路を1系統でまかなえます。

単相3線式100/200Vの配線図:中性線・L1・L2の3線構成
単相3線式(100V/200V)の構成と取り出し方

試験では「100Vと200Vが同時に使える方式はどれか」という問われ方が典型です。

三相3線式(3φ3W)

3本の電圧線で構成します。主に200V(低圧)の動力回路に使われます。工場・現場のモーターや大型空調が典型例です。中性線がないため、100Vは取れません。

三相3線式200Vの配線図:U・V・Wの3線構成と動力負荷への接続例
三相3線式(200V)の構成

現場で「動力」と呼ぶ回路はほぼこれです。

三相4線式(3φ4W)

3本の電圧線+中性線1本の合計4本で構成します。線間電圧と相電圧の両方が使え、大規模施設の幹線などで用いられます。第二種電気工事士の学科では「こういう方式もある」という認識レベルで問われることが多いです。

まとめ表

方式 線数 主な電圧 主な用途
単相2線式(1φ2W) 2本 100V 一般照明・コンセント
単相3線式(1φ3W) 3本 100V / 200V 一般住宅の引込み
三相3線式(3φ3W) 3本 200V 動力(モーター等)
三相4線式(3φ4W) 4本 200V / 400V等 大規模施設の幹線

単相3線式の中性線断線(学科頻出)

単相3線式の中性線は、L1とL2の負荷バランスを取って各100V回路の電位を安定させる役割を担っています。試験では「中性線が断線したらどうなるか」が繰り返し問われる頻出ポイントです。

  • 正常時:100V系は均等にL1-中性線、L2-中性線から取り出され、両側の負荷に安定した100Vが供給される
  • 中性線断線時:L1負荷とL2負荷が中性線を介さず直列接続された状態となり、負荷の大きい側で電圧が低下、負荷の小さい側で電圧が上昇する(電圧バランスが崩れる)
  • 過電圧側の100V機器に200V近い電圧がかかると、機器が焼損するリスクがある

試験対策メモ:単相3線式の問題で「中性線が断線」とあれば、答えは「電圧バランスが崩れる」「100V側機器に過電圧がかかり焼損するおそれ」の方向で覚えておくと迷いません。

電圧降下との関係

配線方式によって電圧降下の計算式の係数が変わります。単相2線式は「2rI」、三相3線式は「√3×r×I」です。配線方式を区別できると、計算問題でも式を選び間違えにくくなります。

電圧降下の計算問題を現場の「太さ・長さ」で理解する

配線方式別の電圧降下計算式(早見表)

配線方式 電圧降下の式 係数 備考
単相2線式(1φ2W) e = 2 × I × r × L 2 往復で2倍
単相3線式(1φ3W) e = I × r × L 1 中性線基準
三相3線式(3φ3W) e = √3 × I × r × L √3 ≒ 1.73 三相平衡負荷
三相4線式(3φ4W) e = I × r × L 1 相電圧基準

I=電流(A)、r=1mあたりの電気抵抗(Ω/m)、L=こう長(m)。

計算問題で式を取り違えるミスは多いので、単相2線式の係数「2」と三相3線式の係数「√3」を区別して暗記するのが得点アップの近道です。

学科試験の代表例題(過去問形式)

例題1:100Vと200Vの両方を使える配線方式

問題:一般住宅の引込みで、100Vと200Vの両方を1系統から取り出して使える低圧配線方式はどれか。

  1. 単相2線式
  2. 単相3線式
  3. 三相3線式
  4. 三相4線式

解答:2. 単相3線式

解説:単相3線式はL1・中性線・L2の3線構成で、L1-中性線/L2-中性線間で100V、L1-L2間で200Vが取り出せる。エアコンやIH機器など200V負荷を扱う一般住宅で標準的に採用されている方式。

例題2:三相3線式の電線数と中性線

問題:三相3線式の電線数と中性線の有無について、正しい組み合わせはどれか。

  1. 電線3本・中性線あり
  2. 電線3本・中性線なし
  3. 電線4本・中性線あり
  4. 電線4本・中性線なし

解答:2. 電線3本・中性線なし

解説:三相3線式(3φ3W)はU・V・W相の3本の電圧線のみで構成され、中性線は存在しない。そのため100Vの取り出しはできず、線間200Vの動力回路として使用される。中性線がある「4線式」は三相4線式や単相3線式と混同しやすいので注意。

例題3:単相3線式で中性線が断線したとき

問題:単相3線式の屋内配線で中性線が断線した場合、負荷側に現れる影響として正しいのはどれか。

  1. 電圧に変化は生じない
  2. 100V側機器に過電圧がかかり焼損するおそれがある
  3. 200V側機器がすべて動作停止する
  4. 必ず短絡が発生する

解答:2. 100V側機器に過電圧がかかり焼損するおそれがある

解説:中性線が断線するとL1負荷とL2負荷が直列接続状態となり、負荷の大きい側で電圧降下・小さい側で電圧上昇が発生する。バランスが崩れた結果、100V機器に200V近い電圧がかかり焼損するリスクがある。学科では「中性線断線=過電圧で機器損傷」とセットで覚える。

まとめ

  • 単相2線式:100V・2本・一般照明
  • 単相3線式:100V+200V・3本・住宅引込み
  • 三相3線式:200V動力・3本・中性線なし
  • 三相4線式:4本・大規模幹線
  • 試験では「何Vが取れるか」「線数は何本か」の組み合わせで問われる
  • 電圧降下の係数は単相2線式「2」、三相3線式「√3」を必ず区別する
  • 単相3線式の中性線断線は学科頻出。100V側の過電圧と機器焼損リスクをセットで暗記

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