電力・電力量・力率:学科の計算を整理する
はじめに
「電力とワット数はわかるけど、力率って何?」——現場でもよく聞かれる疑問です。電力・電力量・力率は試験でセットで出てくることが多く、それぞれの関係を整理しておくと計算問題をすっきり解けるようになります。
電力(W)
電力は1秒間に消費されるエネルギーの量です。単位はW(ワット)またはkW(キロワット)。
直流・単相交流では P = V × I で求められます。抵抗で消費される電力は P = I² × R または P = V² ÷ R でも求められます。試験では問題の与え方に合わせて式を選びます。
電力量(Wh・kWh)
電力量は電力を時間にわたって積算したものです。単位はWh(ワットアワー)またはkWh(キロワットアワー)。
電力量 = 電力(W) × 時間(h)
電気代の請求に使われる「使用量」がこれです。試験では「100Wの機器を5時間使ったときの電力量は何Whか」という形で出ます。
力率(cosθ)
交流回路では、コイルやコンデンサの影響で電圧と電流の位相がずれることがあります。このずれの大きさを表すのが力率です。
力率が1(100%)のとき、供給した電力がすべて有効に使われています。力率が低いほど、見かけ上の電力(皮相電力)に対して実際に仕事をする電力(有効電力)の割合が小さくなります。
3種類の電力の関係
- 有効電力(W):実際に仕事をする電力。P = V × I × cosθ
- 皮相電力(VA):電圧×電流の積。S = V × I
- 無効電力(var):コイル・コンデンサで消費される、仕事にならない電力
試験では「力率0.8の回路の有効電力は何Wか」という形で問われます。皮相電力に力率をかけると有効電力が出る、という計算の流れを押さえておきます。
現場感覚で力率を理解する
工場の動力設備(モーターなど)は力率が低くなりやすいです。力率が低いと、実際に使う電力より大きな電流が流れ、電線や変圧器に余分な負担がかかります。現場で「進相コンデンサ」を設置して力率を改善するのは、この無駄を減らすためです。
まとめ
- 電力は P = VI、電力量は P × 時間
- 力率は有効電力 ÷ 皮相電力で、1に近いほど効率がよい
- 有効電力 = 皮相電力 × 力率(cosθ)
