【第二種電気工事士】オームの法則と直列並列の計算|学科対策まとめ

はじめに

学科の計算問題でつまずく人の多くは、オームの法則そのものより「どう変形するか」「直列と並列でどう計算が変わるか」で混乱しています。この記事では試験で使う計算の骨格だけを整理します。

オームの法則の3つの形

V = I × R の関係式を、求めたい値に応じて変形します。

  • 電圧を求める:V = I × R
  • 電流を求める:I = V ÷ R
  • 抵抗を求める:R = V ÷ I

試験では「この回路の電流は何Aか」のように、3つの変形のどれかが問われます。問題文から「何が与えられていて、何を求めるか」を最初に確認する習慣をつけると解きやすくなります。

オームの法則三角形図:V・I・Rを三角形に配置し、V=IR・I=V/R・R=V/Iを明記
オームの法則の三角形(V・I・Rの求め方)

直列回路の合成抵抗

抵抗が直列(一列)につながっている場合、合成抵抗は単純な足し算です。

R合 = R1 + R2 + R3 …

直列では全ての抵抗に同じ電流が流れます。「電流の通り道が1本しかない」イメージです。

並列回路の合成抵抗

抵抗が並列(分岐)につながっている場合、合成抵抗は逆数の和を取ってから逆数に戻します。

1/R合 = 1/R1 + 1/R2 + …

2つの抵抗が並列の場合は R合 = (R1 × R2) ÷ (R1 + R2) の公式が使えます。

並列では各抵抗に同じ電圧がかかります。「電流の通り道が複数ある」イメージで、合成抵抗は個々の抵抗より小さくなります。

計算の考え方を例題つきで詳しく確認したい場合はこちらも参考にしてください。

合成抵抗の求め方について(例題あり)

直列・並列回路の合成抵抗例題回路図:直列R1+R2、並列1/R=1/R1+1/R2の計算例
直列・並列回路の合成抵抗の計算例

電圧・電流の分配の覚え方(早見表)

「直列はどっちが共通だっけ?」と試験中に迷いやすいので、表で一気に整理します。

回路電流電圧合成抵抗
直列回路共通(同じ電流が流れる)分配される(各抵抗で電圧降下)足し算(R1+R2+...)
並列回路分配される(電流が枝分かれ)共通(各抵抗に同じ電圧)逆数の和の逆数

覚え方のコツは「直列は電圧が分け合い、並列は電流が分け合い」とセットで覚えること。これだけで分配問題の混乱はかなり減ります。

現場でも、ブレーカー1次側から枝分かれする分岐回路は並列接続(電圧は共通、電流は枝ごとに分かれる)と考えると感覚が掴めます。

試験での出題パターン

典型的な出題パターンは以下の3つです。

  • 「図の回路に流れる電流は何Aか」→ オームの法則を変形して解く
  • 「この並列回路の合成抵抗は何Ωか」→ 並列の公式を使う
  • 「R1での電圧降下は何Vか」→ 合成抵抗で電流を求めてからR1にかける

複合問題(直列と並列が混在)も出ますが、「まず並列部分をまとめて合成抵抗を出し、次に直列として計算する」順番を守れば解けます。

複合回路(直列+並列)の解き方ステップ表

頭の中で同時に解こうとすると混乱するので、必ずこの5ステップに分解して順番に処理します。

ステップやること
STEP 1並列部分を特定する並列のR2とR3を見つける
STEP 2並列部分の合成抵抗を出すR23 = (R2×R3)÷(R2+R3)
STEP 3直列として全体の合成抵抗を出すR合 = R1 + R23
STEP 4オームの法則で全体電流を出すI = V ÷ R合
STEP 5必要な箇所の電圧降下・電流分配を求めるR1の電圧降下 = I × R1

複合回路は「分解 → まとめる → 求める」の3段階で考えれば確実に解けます。試験では STEP 4 まで進んで満足してしまい、設問が求めているのは「R1の電圧降下」だった、という見落としが多いので、最後に問題文をもう一度読み返す習慣をつけましょう。

学科試験の代表例題(過去問形式)

頻出パターンを4択形式で3問用意しました。本番と同じ感覚で解いてから解説を確認してください。

例題1:直列回路のオームの法則

問題:100Vの電源に10Ωと15Ωの抵抗を直列に接続した。回路に流れる電流は何Aか。

  • イ. 2A
  • ロ. 4A
  • ハ. 5A
  • ニ. 10A

解答:ロ. 4A

解説:直列なので合成抵抗は単純な足し算で R合 = 10 + 15 = 25Ω。オームの法則 I = V ÷ R より、I = 100 ÷ 25 = 4A

例題2:並列回路の合成抵抗

問題:4Ωと6Ωの抵抗を並列に接続したときの合成抵抗は何Ωか。

  • イ. 1.0Ω
  • ロ. 1.5Ω
  • ハ. 2.4Ω
  • ニ. 10Ω

解答:ハ. 2.4Ω

解説:2つの並列なので「積÷和」の公式で R = (4×6)÷(4+6) = 24 ÷ 10 = 2.4Ω。並列の合成抵抗は小さい方の抵抗(4Ω)よりさらに小さくなるのが特徴。これを覚えておくと、ニ.10Ωのようなひっかけ選択肢を瞬時に排除できます。

例題3:複合回路の電流

問題:100Vの電源に、R1=10Ωと、R2=20Ω・R3=20Ωの並列回路が直列に接続されている。R1に流れる電流は何Aか。

  • イ. 2.5A
  • ロ. 5A
  • ハ. 8A
  • ニ. 10A

解答:ロ. 5A

解説:先ほどのSTEP表通りに進めます。

  • STEP 2:並列部分 R23 = (20×20)÷(20+20) = 400 ÷ 40 = 10Ω
  • STEP 3:全体の合成抵抗 R合 = R1 + R23 = 10 + 10 = 20Ω
  • STEP 4:全体電流 I = 100 ÷ 20 = 5A

R1は直列部分なので、回路全体の電流=R1に流れる電流。並列の枝分かれは並列部分の中だけで起きるという点を押さえれば迷いません。

まとめ

  • オームの法則は V=IR・I=V/R・R=V/I の3変形を使いこなす
  • 直列の合成抵抗は足し算、並列は逆数の和
  • 複合回路は並列をまとめてから直列として処理する

電力・電力量の計算はこちらで整理しています。

電力・電力量・力率:学科の計算を整理する

アンペア(電流値)の計算はアンペア計算ツールで確認できます。

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書籍情報 最終更新: 2026-05-28(楽天ブックスAPI)