【第二種電気工事士】第一種取得後に第二種学科を受けるなら|重複範囲・注意点・免除制度
はじめに
「第一種を持っているのに第二種も受けるの?」と思われるかもしれませんが、業務上の理由や会社の要件で第二種を後から取得するケースは実際にあります。また第一種を持っていれば第二種の学科が免除になるかを確認したい人もいます。
この記事では、第一種取得済みの場合に第二種の学科がどれくらい楽になるか、注意が必要な部分はどこかを整理します。第二種学科の出題範囲・合格基準そのものを先に確認したい方は第二種電気工事士 学科試験とは?出題範囲・合格基準・試験時間まとめを参照してください。
第一種と第二種の学科範囲の重複
第二種の学科範囲は第一種の学科範囲の基礎部分にあたります。重複している範囲が多いため、第一種で学んだ内容は第二種でもそのまま使えます。
特に重複が多い分野:
- 電気理論(オームの法則・直流・交流・三相)
- 電気機器(モーター・変圧器・遮断器)
- 配線方式・接地
- 法令(電気事業法・電気工事士法の基礎部分)
これらは第一種の学習で十分カバーされているため、第二種の過去問を1周解けばほぼ対応できます。
第一種と第二種の出題範囲比較(暗記表)
分野ごとに「重複(=そのまま使える)」「第二種のみ(=低圧・住宅寄り)」「第一種のみ(=高圧寄り)」を区分すると、どこを上書きで勉強すればよいか整理しやすくなります。
| 分野 | 重複(共通) | 第二種のみ(低圧・住宅寄り) | 第一種のみ(高圧寄り) |
|---|---|---|---|
| 電気理論 | オームの法則・直流/交流・三相 | 住宅向け簡易計算 | 力率改善・短絡電流計算 |
| 電気機器 | モーター・変圧器・遮断器の基礎 | 住宅用分電盤・配線用遮断器 | 高圧受電機器(PAS・VCB・LBS等) |
| 配線・施工 | 接地の基本概念 | VVF配線・屋内配線・住宅施工 | 高圧ケーブル工事・特別高圧 |
| 法令 | 電気事業法・電気工事士法の基礎 | 一般用電気工作物の定義 | 自家用電気工作物・保安規程 |
| 検査・測定 | 絶縁抵抗・接地抵抗の基礎 | 住宅検査の数値 | 高圧絶縁耐力試験・継電器試験 |
第一種既取得者にとって追加学習が必要なのは表の中央列「第二種のみ」の項目です。特に住宅配線で使う電線・ケーブルの種類と許容温度(IV/VVF/CV)と接地工事の種類A〜D種は、第二種では設問の中心になるので確実に押さえておきます。
第二種特有の重要数値 早見表
第二種で繰り返し問われる数値を、紛らわしい範囲ごとにまとめておきます。第一種で「高圧側」の数値に慣れていると逆に間違えやすい部分です。
| 項目 | 区分 | 数値 |
|---|---|---|
| 一般用電気工作物の電圧範囲 | 低圧で受電する小規模設備 | 600V以下で受電 |
| 低圧の定義(交流) | 電技で定義 | 600V以下 |
| 低圧の定義(直流) | 電技で定義 | 750V以下 |
| 絶縁抵抗(対地電圧150V以下) | 住宅100V回路など | 0.1MΩ以上 |
| 絶縁抵抗(150V超〜300V以下) | 200V三相回路など | 0.2MΩ以上 |
| 絶縁抵抗(300V超) | 低圧の上限帯 | 0.4MΩ以上 |
| D種接地工事 | 300V以下の低圧機器 | 100Ω以下(漏電遮断器で500Ω以下に緩和) |
| C種接地工事 | 300V超の低圧機器 | 10Ω以下(漏電遮断器で500Ω以下に緩和) |
絶縁抵抗・電線太さ・接地抵抗など第二種で頻出の暗記数値は電気設備の技術基準|絶縁抵抗・接地抵抗・電線太さの暗記数値にまとめています。最終確認に使ってください。
楽になる部分
理論・計算・法令の基礎はすでに身についているため、勉強時間は大幅に短縮できます。過去問を年度別に通して解いて、得点が安定しているかを確認するだけで十分なことが多いです。
注意が必要な部分
試験用語の微妙な違い
第一種と第二種では出題の切り口が異なる場合があります。第一種では「高圧・特別高圧」の扱いが多いのに対し、第二種は「一般用電気工作物・低圧」に絞られます。問題文の前提が違うので、過去問で第二種特有の出題パターンに慣れておくと安心です。
第二種特有の出題
一般住宅の屋内配線・VVFケーブルの扱い・住宅向けの分電盤など、第二種に特有の実務的な問題が出ます。現場で実際に扱っていれば問題ありませんが、高圧側しか触れてこなかった場合は確認しておく必要があります。
第二種特有の出題パターン例
第一種既取得者が引っかかりやすい第二種特有の論点を、4択形式で2問確認しておきます。「定義の範囲」「住宅配線の決まりごと」が中心になります。
第1問:一般用電気工作物の定義
一般用電気工作物に該当する小規模設備の受電電圧として、適切なものはどれか。
- ア.交流600Vを超えて受電するもの
- イ.交流600V以下で受電するもの
- ウ.交流6,600Vで受電するもの
- エ.特別高圧で受電するもの
答え:イ
解説:一般用電気工作物は「600V以下で受電する小規模設備」が基本定義です。第一種を学ぶときは6,600V受電(高圧)に頭が引っ張られがちなので、第二種では「600V以下」という低圧側の上限を改めて確認しておきます。なお小規模発電設備など細目は別途規定されますが、学科で問われる中心はこの電圧範囲です。
第2問:VVFケーブルの色別と接続規定
住宅用の単相100V回路でVVFケーブル(2心)を施工する場合、接地側電線と非接地側電線の被覆色の組み合わせとして、正しいものはどれか。
- ア.接地側=黒、非接地側=白
- イ.接地側=白、非接地側=黒
- ウ.接地側=赤、非接地側=白
- エ.接地側=白、非接地側=赤
答え:イ
解説:低圧屋内配線では接地側電線に白、非接地側電線に黒を用いるのが原則です。コンセントの接地側端子(W表示・長い穴側)には白を接続し、スイッチには非接地側の黒を入れます。第一種では高圧側の相色(R/S/T)に慣れているため、住宅低圧の「白=接地側」を逆に覚えてしまうケースがあるので注意します。VVF・IV等のケーブル種類は電線・ケーブルの種類と許容温度で整理しています。
免除制度について
第一種電気工事士の免状を持っている場合の第二種学科免除については、試験センターの公式サイトで最新の規定を確認してください。制度の詳細は変わる場合があります。
まとめ
- 第一種取得済みなら第二種の学科は大部分が重複しており大幅に楽
- 過去問を通して解いて第二種特有の出題パターンを確認しておく
- 低圧・住宅配線の実務系問題は念のため確認する
- 免除制度の最新情報は公式で確認
