【第二種電気工事士】受電方式と需要率・負荷率・不等率|計算式と暗記のコツ
はじめに
「需要率」「負荷率」「不等率」——学科試験の法令・設備分野で登場するこれらの用語は、現場でも耳にしますが意味をあいまいに覚えていることが多いです。この記事では受電方式の基本と、試験で問われる3つの率を整理します。計算式・値の範囲を表にまとめ、過去問形式の計算問題2問で解き方まで確認します。
受電方式の基本
建物・工場が電力会社から電気を受け取る方法を受電方式といいます。電圧の種類によって区分されます。
- 低圧受電:600V以下で受電。一般住宅・小規模店舗が対象。第二種電気工事士が工事できる範囲の中心
- 高圧受電:6600Vで受電。中規模以上のビル・工場。構内で変圧器により低圧に変換して使用
- 特別高圧受電:7000V超で受電。大規模工場・鉄道など
電気事業法上の「一般用電気工作物」は低圧受電の設備が対象です。
受電方式の電圧区分表
| 受電方式 | 電圧 | 対象施設 |
|---|---|---|
| 低圧 | 600V以下 | 一般住宅・小規模店舗 |
| 高圧 | 6600V | 中規模ビル・工場 |
| 特別高圧 | 7000V超 | 大規模工場・鉄道 |
需要率・負荷率・不等率
3つの率は設備容量と実際の使用電力の関係を表します。試験では定義と計算式が問われます。
需要率
設備容量(設備を全部同時に使ったときの最大電力)に対して、実際の最大需要電力がどれくらいかを示す割合です。
需要率 = 最大需要電力 ÷ 設備容量 × 100(%)
需要率が低いほど、設備の使用率が低いことを意味します。
負荷率
ある期間の平均電力が、その期間の最大需要電力に対してどれくらいかを示す割合です。
負荷率 = 平均需要電力 ÷ 最大需要電力 × 100(%)
負荷率が高いほど、電力が平均的に使われており設備を効率よく活用できています。
不等率
複数の需要家(または複数の設備)の最大需要電力の合計が、実際の合成最大需要電力の何倍かを示す値です。
不等率 = 各需要家の最大需要電力の合計 ÷ 合成最大需要電力
不等率は1以上になります。各需要家のピーク時間がずれているほど不等率は大きくなり、変圧器容量を小さくできます。
3つの率まとめ表(暗記表)
計算式と値の範囲を一覧にしました。試験直前はこの表だけ繰り返すと整理しやすいです。
| 用語 | 計算式 | 値の範囲 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 需要率 | 最大需要電力 ÷ 設備容量 × 100 | 100%以下 | 設備の使用率 |
| 負荷率 | 平均需要電力 ÷ 最大需要電力 × 100 | 100%以下 | 設備の効率 |
| 不等率 | 各需要家最大の合計 ÷ 合成最大需要電力 | 1以上 | ピークのズレ具合 |
「不等率だけ1以上」「需要率と負荷率は100%以下」がひっかけ対策のポイントです。
学科試験で問われるパターン(過去問例)
3つの率は「定義の選択肢問題」と「計算問題」の両方で出ます。定義を言葉で説明できるようにしておき、計算は分子・分母を間違えないように式を確認します。特に不等率は「1以上」という点が選択肢のひっかけに使われることがあります。
第1問:需要率の計算
設備容量が200kWの需要家の最大需要電力が120kWであるとき、需要率は次のうちどれか。
- ア.40%
- イ.50%
- ウ.60%
- エ.80%
解答:ウ.60%
解説:需要率 = 最大需要電力 ÷ 設備容量 × 100 = 120 ÷ 200 × 100 = 60%。分子が最大需要電力、分母が設備容量である点に注意します。
第2問:不等率の計算
各需要家の最大需要電力の合計が150kW、合成最大需要電力が100kWであるとき、不等率はいくつか。
- ア.0.67
- イ.1.0
- ウ.1.5
- エ.2.5
解答:ウ.1.5
解説:不等率 = 各需要家最大の合計 ÷ 合成最大需要電力 = 150 ÷ 100 = 1.5。不等率は必ず1以上になるため、選択肢アのように1未満になる答えはこの時点で除外できます。
まとめ
- 受電方式は電圧の種類(低圧600V以下/高圧6600V/特別高圧7000V超)で区分される
- 需要率:最大需要電力 ÷ 設備容量 × 100(100%以下)
- 負荷率:平均需要電力 ÷ 最大需要電力 × 100(100%以下)
- 不等率:各最大の合計 ÷ 合成最大(1以上になる)
