電線の被覆剥きとリングスリーブの組み合わせ:一覧まとめ

リングスリーブは技能試験の最多失点ポイント

技能試験で一番点を落とすのはどこか。圧着の工程に関わるミス、とくにリングスリーブのサイズ違い圧着マークのミスが長年にわたって受験者の失点源になっています。

現場でも圧着接続はやりますが、正直なところ「差込コネクタで済む場面はコネクタを使う」という現場が多い。圧着工具を毎日握っているという人はそう多くありません。だからこそ、試験直前に「どのスリーブを使えばいいか」が頭から飛ぶのです。

この記事では、何本接続でどのスリーブを使うかの対応表を軸に、被覆の剥き寸法・芯線の出し方まで一気に整理します。

リングスリーブのサイズと接続本数の対応表

試験で使うリングスリーブは「小」「中」の2種類です(大は試験に出ません)。どのサイズを使うかは、接続する電線の太さと本数の組み合わせで決まります。

1.6mm単線(2芯VVFで使う太さ)の場合

接続本数 スリーブサイズ 圧着マーク
2本 ○(丸)
3本
4本
5本以上

2.0mm単線(太い電線)が混在する場合

接続の組み合わせ スリーブサイズ 圧着マーク
2.0mm × 1本 + 1.6mm × 1本(計2本)
2.0mm × 1本 + 1.6mm × 2本(計3本)
2.0mm × 2本(計2本)
2.0mm × 1本 + 1.6mm × 3本(計4本)

ポイント: 2.0mmが1本でも入ると、多くのパターンでスリーブが「中」に上がります。ここを「1.6mmばかり使ってきたから小でいいか」と思い込むと失点します。

圧着マークの「○」と「小」の違い

1.6mm × 2本のときだけ圧着マークは「○(丸)」になります。「小スリーブ・小ダイス」で圧着するのは同じですが、刻印は「○」です。3本以上になると「小」の刻印に変わります。この細かい違いが試験では問われます。

圧着工具のダイスと刻印の関係については、圧着工具の選び方と使い方:技能試験に通る圧着マークの基準に詳しくまとめています。

被覆の剥き寸法と芯線の出し方

リングスリーブ接続の被覆剥き寸法は標準20mmです。これはJIS規格のリングスリーブの長さに合わせた数値で、圧着したあとにスリーブ端から芯線が少し飛び出るくらいが正解です。

20mmで剥いたときの仕上がりイメージ

  • スリーブに芯線を差し込んだとき、スリーブ端から1〜2mm程度飛び出すのが目安
  • 芯線がスリーブに届いていない(差し込み不足)→ 欠陥
  • 芯線が長く飛び出すのは問題ないが、10mm以上出ると「施工不良」と見なされるリスクがある

剥き方の手順

  1. VVFストリッパーの20mm目盛りに電線をセットする
  2. グリップを握って被覆を切断し、そのまま引き抜く
  3. 剥いた芯線に傷・段差・断線がないか目視確認する
  4. 複数本束ねるとき、芯線の先端がそろっているか確認してからスリーブに差し込む

芯線の先端をそろえる理由

複数本をリングスリーブに差し込む際、芯線の長さがバラバラだとスリーブに全本差し込まれていない状態になることがあります。1本でも差し込み不足があると欠陥です。差し込む前に必ず先端をそろえる習慣をつけてください。

現場と試験の違い:「なぜ圧着を使うのか」を知っておく

現場で電線を接続する際、最近は差込コネクタ(ワゴコン・マルチコネクタ等)を使うことがほとんどです。差込コネクタなら工具不要で速く、仕上がりもきれいで抜き差しも容易です。ボックス内の結線や照明器具の接続では差込コネクタが主流になっています。

一方、技能試験ではリングスリーブ圧着の施工が毎年出題されます。差込コネクタが使えるかどうかは候補問題の支給品リストで決まりますが、圧着接続はほぼ必ず必要になります。現場で差込コネクタ中心でやってきた人ほど、圧着の手順が頭に入っていないケースがあるので注意してください。

試験の場で圧着を「やり直す」ことは時間的にほぼ不可能です。1回でサイズと刻印を合わせる精度を、練習の段階で身につけることが大切です。

失点を防ぐチェックポイント

試験会場で見直せる時間は限られています。圧着が終わったら以下の3点だけ確認する習慣をつけておきましょう。

  • 刻印の確認:圧着後にスリーブの刻印(○・小・中)が指定通りか目で確認する
  • 芯線の飛び出し確認:スリーブの両端から芯線が適切に出ているか確認する
  • 引っ張り試験:各電線を軽く引いてスリーブから抜けないことを確認する

圧着後のリングスリーブは再圧着も引き抜きも基本的にできません。失敗したらスリーブを切断して電線を切り直すことになるため、最初から正確に圧着することが前提です。練習段階で「迷わず選べる」レベルまで対応表を体で覚えてください。

まとめ

リングスリーブのサイズ選びと圧着マークは、接続する電線の太さと本数の組み合わせで決まります。対応表を見ながら繰り返し練習し、試験本番で迷わない状態を作ることが合格への近道です。

  • 1.6mm × 2本 → 小スリーブ・○マーク(唯一の「○」)
  • 1.6mm × 3〜4本 → 小スリーブ・小マーク
  • 2.0mmが混在 or 1.6mm × 5本以上 → 中スリーブ・中マーク
  • 被覆剥き寸法は標準20mm。芯線の先端をそろえてからスリーブに差し込む
  • 現場は差込コネクタが主流だが、試験では圧着が必要。事前練習で精度を固める