電圧降下の計算方法をやさしく解説【単相・三相対応】
導入:計算できないと判断できない
電圧降下は「何%まで許されるか」を知るだけでは不十分です。
実際の配線では、本当に何V下がるのかを計算して判断する必要があります。
とはいえ、計算式を見るだけで苦手意識が出る人も多いはず。
この記事では、式を丸暗記しなくても理解できるように、考え方を中心に解説します。
なぜ電圧降下の計算が必要なのか
電圧降下は見た目では分かりません。
「たぶん大丈夫」という感覚だけで配線すると、
- 機器が正常に動かない
- モーターの力が弱くなる
- 電線が発熱する
といったトラブルにつながることがあります。
そのため、配線設計では必ず数値で確認します。
まずは一番シンプルな考え方
電圧降下の基本的な考え方は、とてもシンプルです。
電圧降下[V] = 電流[A] × 抵抗[Ω]
つまり、
- 流れる電流が大きいほど
- 配線の抵抗が大きいほど
電圧降下は大きくなります。
実務で使われる電圧降下の計算式
実際の配線では、電線の長さや太さを考慮した式を使います。
直流・単相2線式の場合
直流回路や単相2線式では、次の式がよく使われます。
V = 35.6 × I × L ÷ S
ここで、
- I:電流[A]
- L:電線の長さ[m]
- S:電線の断面積[mm²]
35.6という数字は、銅線の抵抗値(17.8)を往復分考慮したものです。
三相3線式の場合
三相3線式では、次の式を使います。
V = 30.8 × I × L ÷ S
30.8は、銅線の抵抗値に√3を掛けた値です。
三相回路特有の考え方ですが、「三相だから数字が変わる」程度の理解で問題ありません。
計算例で確認してみよう
例として、次の条件で計算してみます。
- 電流:10A
- 電線長さ:20m
- 電線太さ:2.0mm²
直流・単相2線式の場合、
V = 35.6 × 10 × 20 ÷ 2.0 = 3.56V
100V回路なら、約3.6%の電圧降下になります。
数字で見ると、意外と無視できないことが分かります。
計算が面倒な場合は?
正直なところ、毎回この計算を手作業で行うのは大変です。
特に単相・三相が混ざると、計算ミスも起こりやすくなります。
そこで、単相・三相に対応した電圧降下計算ツールを用意しています。
数値を入力するだけで、電圧降下と割合を確認できます。
まとめ
電圧降下の計算は、式を覚えることが目的ではありません。
配線が安全かどうかを判断するための手段です。
- 電流が大きいほど電圧は下がる
- 配線が長いほど電圧は下がる
- 太い電線ほど電圧降下は小さい
この考え方を押さえたうえで、計算やツールを活用していきましょう。