電圧降下について
導入:電気にも「代償」がある
「この世界に、ただで動くものはない」
電気の世界も同じです。
スイッチを入れて電流が流れるとき、配線の中では必ずエネルギーが消費されています。 その結果として起きるのが電圧降下です。
電圧降下とは?
電圧降下とは、電流が流れることで配線や機器の抵抗によって電圧が低下する現象です。
たとえば100Vの電源から配線した場合でも、距離が長かったり電流が大きいと、 末端では98Vや95Vしか届かないことがあります。
なぜ電圧が下がるのか
電線には必ず抵抗があります。 この抵抗に電流が流れることで、電圧の一部が熱として失われます。
この「失われた分」が電圧降下であり、避けることはできません。
電圧降下が大きいと何が起こる?
- 照明が暗くなる
- モーターが起動しない・力が出ない
- 電子機器が不安定になる
さらに、配線で発生する熱が増えることで、被覆の劣化や火災の原因になることもあります。
電圧降下を小さくする基本的な方法
- 電線を太くする
- 配線距離を短くする
- 流れる電流を小さくする
特に低電圧(12V・24V)回路では、電圧降下の影響が大きくなりやすいため注意が必要です。
身近な例:スマホの充電が遅い理由
細くて長い延長コードでスマホを充電すると、充電が遅くなることがあります。
これはコード内部で電圧降下が発生し、スマホに十分な電圧が届いていないためです。
電圧降下は「計算して判断」する
電圧降下は感覚ではなく、計算によって判断します。
資格試験では簡易式、実務では配線距離や電線サイズを考慮した計算を行います。
電圧降下の簡易計算式
電圧降下(V) = 電流(A) × 抵抗(Ω)
例:抵抗0.5Ωの配線に5A流れる場合 → 電圧降下は2.5V
詳しい計算はツールを使うのがおすすめ
実務では配線距離や電線の太さ、単相・三相などを考慮する必要があります。
以下の計算ツールを使えば、条件を入力するだけで電圧降下を確認できます。
まとめ
電圧降下は、電気を使ううえで避けられない現象です。 しかし、仕組みを理解し、正しく計算・設計することでトラブルは防げます。
まずは「なぜ起きるのか」を理解し、必要に応じて計算ツールを活用しましょう。