三菱 CP30-BAの仕様をやさしく解説!
配線用遮断器「CP30-BA」は、制御盤や分電盤などに使われる小型で高性能な遮断器です。今回は、このCP30-BAの主な仕様を初心者の方にもわかりやすくご紹介していきます。
なお、遮断器など回路保護機器の選び方について全体像を知りたい方は、以下の記事も参考になります。
フレーム(A)
「フレーム」とは、遮断器の最大構造電流容量のことです。たとえば「30Aフレーム」と書かれていれば、この遮断器は最大30Aまでの回路に対応できる構造だという意味になります。
極数(P)
遮断器が何本の電線(極)を同時に制御できるかを示すのが「極数」です。
- 1P:単相1線用
- 2P:単相2線または単相+接地線
- 3P:三相回路用
用途に合わせて選ぶポイントになります。
定格電流(In A)
定格電流は、遮断器が通常状態で流せる最大の電流値を示します。CP30-BAの場合、1A〜30Aなどの幅で製品が用意されています。これを超えると遮断器が作動し、回路を安全に遮断してくれます。
定格遮断容量(kA)
この項目については、以下で詳しく解説しています!
遮断器が短絡(ショート)などで発生する大電流を安全に切れる最大値のことを「定格遮断容量」といいます。これが高いほど、万一のトラブル時にも安全に回路を遮断できます。
定格インパルス耐電圧(Uimp kV)
雷などの瞬間的な高電圧(サージ)に対して、どれだけ耐えられるかを示す性能値です。電気機器の長寿命化に関わる大事な指標です。
電流の種類(AC or DC)
CP30-BAは主に交流(AC)に対応しており、AC100VやAC200V系統で使用されるのが一般的です。
※3P仕様のみAC専用ですので、ご注意ください。
使用カテゴリー(選択度種別)
遮断器がどのような用途に適しているかを示すカテゴリです。
CP30-BAは、小型で制御回路向けの遮断器なので、選択遮断のような高度な機能は不要です。
そのため「使用カテゴリーA」に分類されており、シンプルで汎用性のある使い方に適しています。
汚損度
CP30-BAは「汚損度2」とされており、家庭やオフィス、工場内の清潔な屋内環境での使用が想定されています。
逆接続
CP30-BAは逆接続対応。
電源側と負荷側を間違って接続しても正常に動作しますが、
間違えないようにしましょう。
基準周囲温度
遮断器が設計通りに動作する周囲温度の基準です。
CP30-BAは一般的な「40℃」で設定されています。
動作特性
遮断器がどのくらいのスピードで電流を遮断するかを示す特性です。
過電流引きはずし方式
CP30-BAは「熱動式」または「熱動・電磁複合式」を採用しており、ゆっくり過電流にも瞬時過電流にも対応できるのが特徴です。
操作方法
遮断器は手動レバーでON/OFFを切り替える仕様です。シンプルな構造で扱いやすく、誤操作も起きにくい点がメリット。
引きはずし自由の動作方式
これは、遮断器のスイッチがON状態でもトリップ(遮断)動作が可能な機構です。事故時に確実に回路を切るための安全機構として重要です。
CP30-BAの便利な付属装置
CP30-BAには、必要に応じて装着できる以下のような便利な付属装置があります。
- 開閉式小型端子カバー(TC-S):感電防止と作業性を両立した保護カバー。点検もラクです。
- イナーシャルディレイ(ID):突入電流による誤作動を防ぐため、遮断を少し遅らせる機構。
- 警報スイッチ(AL):遮断時に外部へ警報信号を送れるスイッチ。
- 補助スイッチ(AX):遮断器のON/OFF状態を他機器に伝えるための信号出力用。
- 電圧引きはずし(SHT):外部からの電気信号で遮断器を遠隔で遮断可能にします。
別売部品も充実!
用途に応じて、以下のようなオプション部品も揃っています。
- 大形端子カバー(TC-L):太い配線にも対応できる端子カバー。
- 埋込金具(FP):壁や盤面にスッキリ設置できる取付け金具。
- 裏面配線用端子(BT):配線を背面から行いたい場合に便利です。
- 渡り導体(WB):補助端子間の接続を簡単にするジャンパー。
- 端子台用カバー(TC):補助端子部にも感電防止カバーを追加できます。
端子・取付・法規関連も安心設計
- 端子形状:本体・警報スイッチ・補助スイッチともに接続しやすい形状です。
- 取付方式:DINレール取付やネジ固定が可能。配電盤にぴったり設置できます。
- 電気用品安全法(PSEマーク):国内法規対応済み。
- CEマーク:欧州規格に適合。海外輸出にも対応。
- CCC認証:中国市場でも使用可能な認証取得済み。
まとめ
CP30-BAは、小型ながらも多機能で安全性の高い遮断器です。設備保護や安全管理のために欠かせない存在。機能やパーツを理解して、より安全で効率的な電気設備の構築に役立ててくださいね!
なお、CP30-BAのような回路保護機器の選び方に迷った方は、こちらの記事もご覧ください。