【豆知識】エジソンとテスラの「電気戦争」とは?

豆知識

エジソンとテスラ――電気をめぐる天才たちの対立

電気の歴史を語る上で欠かせない2人の天才、トーマス・エジソンニコラ・テスラ
同じ時代に生きた2人は、「直流(DC)」と「交流(AC)」をめぐって激しく対立しました。
この記事では、初心者にもわかりやすく彼らの人物像と「電流戦争」を解説します。

エジソンとは?発明王の直流推し

トーマス・エジソンは、白熱電球の発明や蓄音機の開発で有名な発明家です。
実用性とビジネスに重きを置いた彼は、自らの電力システムに直流を採用しました。

テスラとは?交流を推した未来の科学者

一方、ニコラ・テスラは交流電流の可能性にいち早く気づいた天才発明家です。
長距離送電が可能な交流の優位性を信じ、ウェスティングハウスとともに普及を進めました。

電流戦争とは?エジソンとテスラの電力バトル

19世紀後半、電気が一般家庭に普及しはじめた時代に起こったのが「電流戦争(War of Currents)」です。
この戦いは、トーマス・エジソンが提唱した「直流(DC)」と、ニコラ・テスラジョージ・ウェスティングハウスが推した「交流(AC)」の、送電方式をめぐる大きな論争でした。

直流(DC)の特徴とエジソンの立場

エジソンの直流方式は、一定方向に流れる電流で、技術的には当時すでに実用化されていました。
ただし、電圧を変えるのが難しく、遠くまで電気を送ると電力ロスが大きいという欠点がありました。
エジソンは自社のシステムが普及していたこともあり、強く直流を推していました。

交流(AC)の優位性とテスラのアイデア

テスラが提唱した交流は、電圧を容易に変換できるため、高電圧で送って、家庭では低電圧に変換するという送電が可能です。
これにより、長距離送電に非常に適しているというメリットがありました。

エジソンの激しい反発と黒歴史

エジソンは交流の危険性を人々に強く印象づけようとしました。
実際に動物に交流電流を流して感電死させるデモを行ったり、世界初の電気処刑椅子に交流を使わせたりしました。これは「交流は危険」と世論操作するためのものでした。

勝者はテスラ!送電方式の標準化へ

決定的だったのは1893年の「シカゴ万博」。
ウェスティングハウス社とテスラは、大規模な照明設備を交流方式で成功させ、その効率性と安全性を実証。
続いて、アメリカ最大の水力発電所である「ナイアガラ発電所」にも交流が採用され、以後、世界の標準となりました。

エジソンは最終的に電気事業から手を引きましたが、この「電流戦争」は電力技術の進化に大きな影響を与えた歴史的事件です。

二人のその後と影響

エジソンは多くの事業で成功し、巨万の富と名声を得ました。
テスラは数々の発明を残したものの、経済的には恵まれず、晩年は孤独でした。

エジソンとテスラの豆知識まとめ|思わず話したくなる小ネタ集

  • 「Tesla(テスラ)」という電気自動車メーカーはニコラ・テスラにちなんで名付けられました。
  • テスラはWi-Fiや無線給電の基礎となる発想も持っていました。
  • エジソンは電話の「もしもし」が嫌いで、「ハロー」を推していました。

まとめ:あなたはどっち派?

実用主義のエジソンか、理想と未来を見据えたテスラ
彼らの対立があったからこそ、私たちは今、安全で効率的な電気を使うことができています。

あなたはどちらに共感しますか?

タイトルとURLをコピーしました