タイマリレー(オンディレイ・オフディレイ)の使い方と選び方
タイマリレーは「何秒後に動かす」を実現する機器
制御盤の中でタイマリレー(タイムリレー)は「入力があってから一定時間後に接点を動かす」または「入力が切れてから一定時間後に接点を戻す」ための機器です。
PLCがある設備ではPLCのタイマ命令で代替できることも多いですが、リレー回路のシーケンス制御や、PLCなし設備ではタイマリレー本体が必要です。また停電後の再起動シーケンスや安全機能の遅延など、PLCプログラムとは独立して動く遅延が必要な場合にも使われます。
制御盤の機器構成全体については制御盤の中に何が入っている?主要機器の役割と配置をざっくり整理を参照してください。
オンディレイとオフディレイの違い
タイマリレーの動作には大きく2種類あります。
オンディレイ(ON-delay)
入力(コイルへの通電)が入ってから、設定時間が経過した後に接点が動作します。入力が切れると接点は即座に元に戻ります。
用途の例:
- モーター始動後、一定時間後にバルブを開く
- スターデルタ始動のスター→デルタ切り替えタイミング
- 設備起動後に冷却ファンや周辺機器を順番に立ち上げる
「入力が来てから〇秒後に動作」というシーケンスはほぼオンディレイです。
オフディレイ(OFF-delay)
入力が入ると即座に接点が動作し、入力が切れてから設定時間が経過した後に接点が戻ります。
用途の例:
- モーター停止後、一定時間ブレーキを保持する
- 設備停止後も冷却ファンを一定時間動かし続ける
- 停止信号が入ってから遅延して別の機器を止める
「切れてから〇秒後に止める」というシーケンスはオフディレイです。
設定時間の合わせ方
タイマリレーの時間設定は、前面のダイヤルまたはデジタル表示で行います。注意点が2つあります。
時間レンジの選択
多くのタイマリレーは複数の時間レンジ(0.05〜0.5s / 0.5〜5s / 5〜60s 等)を切り替えるスイッチがあります。設定したい時間がレンジ内に収まるように、まずレンジを選びます。設定値がレンジの下限に近い場合、次に細かいレンジに変えることでより精度よく設定できます。
誤差と安定性
アナログダイヤル式は温度・電源電圧の変動で誤差が出ます。精度が必要な用途ではデジタル表示タイプを選びます。オムロンのH3CRシリーズ・富士電機のST4Pシリーズは現場でよく使われます。電源電圧の範囲やコイル電圧の仕様は機種ごとに確認してください。
選定のポイント
タイマリレーを選ぶときの確認事項です。
電源電圧・コイル電圧
制御電源(DC24V・AC200V等)に合ったコイル電圧のタイマを選びます。MCと同様、電源電圧のミスマッチは動作不良の原因です。
接点構成と容量
標準的なタイマリレーの接点は1a1b程度です。接点容量(AC250V・3A等)が制御回路の電流に対して十分か確認します。MC・リレーのコイルを直接タイマ接点で駆動する場合、コイルの突入電流に耐えられる接点容量が必要です。
リレーの接点と誘導負荷の関係についてはリレーの誘導負荷と抵抗負荷の違いは?溶着を防ぐ選定のコツを解説を参照してください。
リセット方式
電源が切れたときに時間設定がリセットされるか、途中から再スタートするかは機種によって異なります。停電復帰後のシーケンスに影響するため、仕様書で確認します。
PLCがある設備でもタイマリレーを使う場面
PLC制御の設備でも以下の場面ではハードウェアのタイマリレーを使うことがあります。
- 非常停止後の遅延復帰(安全回路の遅延はPLCプログラムに依存させないため)
- PLCの出力ユニットが故障しても動くバックアップシーケンス
- PLC停止中でも動き続けなければならない補機(冷却ファン等)の制御
「PLCがあるからタイマリレーは不要」ではなく、「どちらで担うべきか」の判断が設計の仕事です。
まとめ
タイマリレーの要点です。
- オンディレイ:入力後〇秒で動作。「起動してから遅らせる」用途
- オフディレイ:入力切断後〇秒で復帰。「停止後も保持する」用途
- 電源電圧・時間レンジ・接点容量の3点を確認して選定する
- PLC設備でも安全回路・バックアップには独立したタイマリレーを使う判断がある
