進相コンデンサと高調波:学科で「名前と役割」まで押さえる
はじめに
「進相コンデンサ」と「高調波」は現場でも名前を聞く機会があります。学科試験では理論の深い計算は不要で、「何のためにあるか」「何が問題になるか」の概念レベルで問われます。この記事ではその部分に絞って整理します。
進相コンデンサとは
進相コンデンサは、力率を改善するために設置する機器です。
工場のモーターや変圧器などの誘導性負荷(コイルを含む機器)は、電力を消費しながら同時に無効電力も発生させ、力率を低下させます。力率が低いと同じ仕事をするのに大きな電流が必要になり、電線・変圧器に余分な負担がかかります。
進相コンデンサをシステムに並列接続することで、コンデンサの進み電流がコイルの遅れ電流を打ち消し、力率が1に近づきます。
力率の概念については、こちらで整理しています。
高調波とは
高調波は、電源周波数(50Hzまたは60Hz)の整数倍の周波数成分を持つ電圧・電流のことです。
インバータ・スイッチング電源・パソコンなどの機器は、電源から正弦波でない電流を引き込むため、高調波を発生させます。高調波が系統に混入すると、変圧器の過熱・コンデンサの故障・通信機器への干渉などの問題が起きます。
学科試験では「高調波は何倍の周波数成分か」「高調波が問題になる原因として正しいものはどれか」という選択肢問題で出ることがあります。
進相コンデンサと高調波の関係
進相コンデンサは高調波に対して低インピーダンスになりやすい特性があります。そのため、高調波電流が進相コンデンサに集中して流れ込み、コンデンサが過負荷になることがあります。これを防ぐために直列リアクトルを組み合わせることがありますが、第二種の学科では「進相コンデンサに高調波の影響がある」という程度の認識で十分です。
まとめ
- 進相コンデンサ:力率改善のために設置。誘導性負荷の無効電力を補償する
- 高調波:基本周波数の整数倍の成分。インバータ等が発生源
- 高調波は変圧器過熱・コンデンサ故障の原因になる
- 試験では「名前・役割・問題点」の選択肢レベルで対応できる
