圧着端子のサイズ対応表|電線sq×ねじ径から型式を引く(R形・Y形・絶縁被覆付)

圧着端子の型式は、電線の断面積(sq)と端子台のねじ径(M3・M4など)の2つが決まれば決まります。迷ったら、下の対応表で電線sqの行とねじ径の列が交差するところを読んでください。R形(丸形)・Y形(先開形)・絶縁被覆付それぞれの型式と、型式そのものの読み方をこのページにまとめています。

なお前提として、端子台につなぐ電線の先端は圧着端子で処理します。被覆を剥いただけの電線をねじに噛ませる接続は、素線のばらけ・接触面積の不足・抜けの原因になるため行いません(端子台の接続手順:締め付けトルクと「抜けない配線」のコツ)。

裸圧着端子 R形(丸形)の対応表

電線sq(縦)× ねじ径(横)で型式を引きます。「—」はその組み合わせの型式がないことを示します。

電線sq M2M3M3.5M4M5M6M8 M10M12M14M16M18M20M22
0.3sqR0.3-2R0.3-3R0.3-3.5R0.3-4——————————
0.5sqR0.5-2R0.5-3R0.5-3.5R0.5-4R0.5-5—————————
1.25sq—R1.25-3R1.25-3.5R1.25-4R1.25-5R1.25-6————————
2sq—R2-3R2-3.5R2-4R2-5R2-6R2-8———————
3.5sq———R3.5-4R3.5-5R3.5-6R3.5-8———————
5.5sq———R5.5-4R5.5-5R5.5-6R5.5-8R5.5-10——————
8sq————R8-5R8-6R8-8R8-10R8-12—————
14sq—————R14-6R14-8R14-10R14-12—————
22sq—————R22-6R22-8R22-10R22-12R22-14R22-16———
38sq——————R38-8R38-10R38-12R38-14R38-16———
60sq——————R60-8R60-10R60-12R60-14R60-16———
80sq———————R80-10R80-12R80-14R80-16———
100sq———————R100-10R100-12R100-14R100-16R100-18R100-20—
150sq————————R150-12R150-14R150-16R150-18R150-20—
200sq————————R200-12—R200-16—R200-20R200-22
250sq——————————R250-16—R250-20R250-22
325sq——————————R325-16—R325-20R325-22

※JIS C 2805 の裸圧着端子 R形。掲載は手元の機器マスタに登録されている型式の範囲です。外形寸法(舌部の幅・全長など)は型式ごとにメーカーのカタログで確認してください。

裸圧着端子 Y形(先開形)の対応表

Y形は先端が開いた形で、ねじを緩めるだけで横から抜き差しできます。R形より上限サイズが小さく、マスタ上は38sq・M16までです。

電線sq M2M3M3.5M4M5M6M8 M10M12M14M16
0.3sqY0.3-2Y0.3-3Y0.3-3.5Y0.3-4———————
0.5sqY0.5-2Y0.5-3Y0.5-3.5Y0.5-4Y0.5-5——————
1.25sq—Y1.25-3Y1.25-3.5Y1.25-4Y1.25-5Y1.25-6—————
2sq—Y2-3Y2-3.5Y2-4Y2-5Y2-6Y2-8————
3.5sq———Y3.5-4Y3.5-5Y3.5-6Y3.5-8————
5.5sq———Y5.5-4Y5.5-5Y5.5-6Y5.5-8Y5.5-10———
8sq————Y8-5Y8-6Y8-8Y8-10Y8-12——
14sq—————Y14-6Y14-8Y14-10Y14-12——
22sq—————Y22-6Y22-8Y22-10Y22-12Y22-14Y22-16
38sq——————Y38-8Y38-10Y38-12Y38-14Y38-16

※JIS C 2805 の裸圧着端子 Y形(先開形)。表に載っていない太物側は丸形で選ぶことになります。

R形とY形の使い分け

電線sqとねじ径が同じなら、R形とY形はどちらも物理的には付きます。分かれるのは着脱のしやすさと、抜けたときの重さです。

  • Y形(先開形):端子台のねじを緩めるだけで着脱できるため作業が速く、制御盤の信号線・制御線で広く使われます。
  • 丸形(R形):ねじを完全に外さないと抜けないため、振動が多い場所や、抜けが重大事故につながる回路で選ばれます。

保全で頻繁に外す端子はY形、動力回路や接地・インターロックのように外れてはいけない端子は丸形、という切り分けが分かりやすいところです。盤の中で両方が混在するのは珍しくないので、図面やチェックリストで形状まで指定しておくと手戻りが減ります。締め方・増し締めの考え方は 端子台の接続手順:締め付けトルクと「抜けない配線」のコツ にまとめています。

絶縁被覆付圧着端子と色の対応

圧着部に樹脂の被覆が付いているタイプが絶縁被覆付圧着端子です。圧着後に絶縁キャップをかぶせる手間が省け、隣の端子との接触リスクも下げられます。

手元のマスタに登録されているラインアップでは、被覆の色が適合する電線サイズに対応していて、1.25sq用が赤・2sq用が青・5.5sq用が黄で揃っています。これはこのラインアップでの対応で、色だけで判断するのではなく型式とパッケージの表記で確認するのが基本です。

丸形(V形)

適合電線被覆の色M3M3.5M4M5M6M8M10
1.25sq赤V1.25-3V1.25-3.5V1.25-4V1.25-5V1.25-6——
2sq青V2-3V2-3.5V2-4V2-5V2-6V2-8—
5.5sq黄——V5.5-4V5.5-5V5.5-6V5.5-8V5.5-10

Y形(TMEV形)

適合電線被覆の色M3M3.5M4M5M6M8M10
1.25sq赤TMEV1.25-3TMEV1.25-3.5TMEV1.25-4TMEV1.25-5TMEV1.25-6——
2sq青TMEV2-3TMEV2-3.5TMEV2-4TMEV2-5TMEV2-6TMEV2-8—
5.5sq黄——TMEV5.5-4TMEV5.5-5TMEV5.5-6TMEV5.5-8TMEV5.5-10

裸圧着端子にくらべてサイズの選択肢が狭く、1.25sq・2sq・5.5sqの3段と、ねじ径はM3〜M10の範囲です。手元のマスタに載っているのはこの3段だけなので、ここから外れるサイズを絶縁したい場合は、裸圧着端子に絶縁キャップ(後述のTIC形)をかぶせる組み合わせを検討することになります。実際の適合電線の範囲は型式ごとにメーカーのカタログで確認してください。

型式の読み方

型式は「形状の記号+電線sq+ねじ径」でできています。この並びが分かっていれば、表を引かずに型式から仕様を読み戻せます。

  • R1.25-4 … R=丸形/1.25=電線1.25sq/4=ねじM4
  • Y2-4 … Y=Y形(先開形)/2=電線2sq/4=ねじM4
  • V1.25-3 … V=絶縁被覆付の丸形/1.25=電線1.25sq(赤)/3=ねじM3
  • TMEV2-4 … TMEV=絶縁被覆付のY形/2=電線2sq(青)/4=ねじM4

つまりハイフンの前が電線サイズ、後ろがねじの呼び径です。現場でよく聞く「1.25の3」「2の4」という呼び方は、この後半2つだけを読んでいるわけですね。逆に言えば、どちらか一方しか合っていない端子は使えません。

なお、この読み方が当てはまるのは上のR形・Y形・V形・TMEV形までです。次に挙げる棒形やスリーブは「ねじに留めない部品」なので、型式にねじ径が入りません。棒形の「TC0.5-11」のようにハイフンの後ろに数字が付くものもありますが、これはねじ径ではありません。手元のマスタにこの数字の定義が無いため、ここでは意味を断定しません。

その他の圧着部品

同じ圧着ペンチの周辺で使う部品も、型式はおおむね電線sqで並んでいます。

  • 棒形(ピン形):先端が棒状で、ねじに回し掛けせず差し込んで使います。絶縁カラーが付いたタイプはフェルール端子と呼ばれ、呼び方の違いで同じものを指します。ここに挙げるTC形は絶縁カラーの無い裸のタイプです。型式は TC0.5-11 / TC1.25-11 / TC2-11 / TC3.5-11 / TC5.5-11 / TC8-11 / TC14-11 / TC22-11。
  • スリーブ B形(突合せ):電線どうしを突き合わせてつなぐ筒形。B1.25 / B2 / B3.5 / B5.5 / B8 / B14 / B22 / B38 / B60 / B100。
  • スリーブ P形(重ね合せ):電線を重ねてつなぐタイプ。P1.25 / P2 / P3.5 / P5.5 / P8 / P14 / P22 / P38 / P60 / P100。
  • 閉端接続子 CE形:片側が閉じた筒で、電線の終端をまとめるのに使います。小(0.5〜1.25sq)=CE1 / 中(1.25〜2sq)=CE2 / 大(2〜5.5sq)=CE5 / 特大(5.5〜8sq)=CE8。
  • 絶縁キャップ:裸圧着端子の圧着部にかぶせる樹脂キャップ。TIC-1.25 / TIC-2 / TIC-5.5 / TIC-8 / TIC-14 / TIC-22 / TIC-38。

ここで挙げたスリーブは電線どうしをつなぐもので、電気工事士の技能試験で使うリングスリーブと圧着マークの話は 圧着工具の選び方と使い方:技能試験に通る圧着マークの基準 にまとめています。

選ぶときに外しやすいところ

対応表で型式が決まっても、手元で外すポイントはだいたい次の4つに集まります。

電線サイズとねじ径の両方を合わせる

片方だけ合わせて選んでしまうのが最も多いところです。電線サイズが合っていないと圧着しても導体をしっかり握れず引っ張ると抜け、ねじ径が合っていないと端子の穴がねじに対して大きすぎてぐらつくか、小さすぎて入りません。表の行と列、両方を確認してください。使う電線そのもののサイズ感は KIV・IV電線の許容電流一覧|サイズ別の代表値まとめ【制御盤設計向け】 も参考になります。

剥き長さは圧着端子のスリーブに合わせる

被覆を剥く長さは、圧着端子の圧着部(スリーブ)の長さに合わせます。剥きすぎると圧着部の外に導体が露出し、短すぎると被覆までスリーブに入り込んだ状態で圧着することになります。剥き長さの指定は端子のカタログに載っているので、新しいサイズを使うときに確認しておくと確実です。被覆剥きそのもののコツは 電線の被覆を剥くコツ:ストリッパーの選び方と現場の判断基準 にあります。

圧着工具のダイスを端子サイズに合わせる

圧着は、端子のサイズに合った圧着工具のダイスで行います。サイズ違いのダイスで圧着すると、圧着不足で抜けたり、逆に潰しすぎて素線が切れたりします。裸圧着端子用と絶縁被覆付用で工具が分かれている点にも注意してください。

圧着後に素線のはみ出しと被覆の噛み込みを目視する

圧着したら、圧着部に素線がはみ出していないか、被覆を噛み込んでいないかを目視し、軽く引っ張って抜けないことを確認します。被覆の噛み込みは手応えがあるのに導体を握れていない状態で、見つけにくいトラブルです。スプリング式端子台で使うフェルール端子も考え方は同じで、フェルール端子の圧着方法とサイズの選び方|色の意味と失敗しやすい4点 に整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 「R1.25-4」という型式は何を表していますか?
A. R=丸形(R形)、1.25=適合する電線の断面積1.25sq、4=通すねじの呼び径M4を表しています。先頭の記号が変わっても後ろの「電線sq-ねじ径」の読み方は共通で、Y形はY(例:Y2-4)、絶縁被覆付の丸形はV(例:V1.25-3)、絶縁被覆付のY形はTMEV(例:TMEV2-4)で始まります。

Q2. 絶縁被覆付圧着端子の赤・青・黄は何の違いですか?
A. このラインアップでは被覆の色が適合する電線サイズに対応していて、1.25sq用が赤、2sq用が青、5.5sq用が黄で揃っています。色の対応はそのラインアップ内での話なので、色だけで判断せず型式とパッケージの表記で確認してください。

Q3. 絶縁被覆付圧着端子はどの電線サイズまで選べますか?
A. 手元のマスタに載っているのは1.25sq・2sq・5.5sqの3段で、ねじ径はM3〜M10の範囲です。裸圧着端子にくらべて選択肢が狭いので、ここから外れるサイズを絶縁したい場合は、裸圧着端子に絶縁キャップをかぶせる組み合わせを検討することになります。実際の適合電線の範囲は型式ごとにメーカーのカタログで確認してください。

Q4. 電線サイズは合っているのに端子が端子台に合いません。どこを見ればいいですか?
A. 型式の後ろの数字=ねじの呼び径を確認してください。電線sqとねじ径は別々に合わせる必要があり、ねじ径が合っていないと端子の穴がねじに対して大きすぎてぐらつくか、小さすぎて入りません。対応表の行(電線sq)と列(ねじ径)が交差するところに型式があるかどうかも確認してください。

まとめ

圧着端子の選定は「電線sq」と「ねじ径」の2軸で、型式はその2つをそのまま並べたものです。形状はY形=着脱の速さ、丸形=抜けにくさで選び分けます。絶縁被覆付の色は便利な目印ですが、ラインアップ内での対応なので型式で裏を取ってください。表を引きたくなったら、このページに戻ってきてください。