MELSEC iQ-R CPU の比較早見表|R00〜R120CPU・RnENCPU のプログラム容量・処理速度・デバイス点数・バッテリ・SDカードの違い
MELSEC iQ-R(三菱電機の PLC のシリーズ)の CPU ユニットは、型名の数字が大きくなるほどプログラムを多く入れられます。ただ、違いは容量だけではありません。R00・R01・R02 と R04 以上では、バッテリの扱い・SD カード(R00 だけ使えない)・処理速度・割込みの種類まで変わります。
この記事では、仕様表の値を早見表にまとめ、「どの欄を見れば自分の条件に合うかが分かるか」まで整理します。
この記事で分かること:
- iQ-R の CPU は何種類あるか(RnCPU と RnENCPU)
- 処理速度・プログラム容量・メモリの違い
- デバイス点数・割込み・コンスタントスキャンの違い(入出力点数は全機種同じ)
- R00・R01・R02 と R04 以上で違うところ(バッテリ・停電保持・SD カード(R00 だけ使えない)・カセット)
- RnENCPU(ネットワーク一体型)の幅・消費電流・占有点数
※この記事の仕様は、三菱電機の「MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル(SH-082487J)」と「MELSEC iQ-R ユニット構成マニュアル」に書かれている範囲だけで書いています。本文の「p.xx」はそれぞれのマニュアルの印刷ページです。対象は iQ-R のシーケンサCPU(R00〜R120CPU、R04〜R120ENCPU)で、他のシリーズや他社の PLC は扱いません。数値は 2026年11月時点で確認した版によるもので、改版で変わることがあるため、お使いの取説名と版もあわせて確認してください。
iQ-R の CPU は何種類あるか|RnCPU 8機種と RnENCPU 5機種
この記事で扱うシーケンサCPU は、次の2つのグループに分かれます(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.24)。
| 総称 | 機種 | 数 |
|---|---|---|
| RnCPU | R00CPU・R01CPU・R02CPU・R04CPU・R08CPU・R16CPU・R32CPU・R120CPU | 8機種 |
| RnENCPU | R04ENCPU・R08ENCPU・R16ENCPU・R32ENCPU・R120ENCPU | 5機種 |
(出典:MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル p.24)
RnENCPU は、CPU の機能を持つ部分(CPU 部)と、ネットワークの機能を持つ部分(ネットワーク部)が一体になったユニットです(ユニット構成マニュアル p.72)。詳しくは後の章で扱います。
R04 と R04EN は性能仕様が同じ列
マニュアルの性能仕様の表では、R04CPU と R04ENCPU、R08CPU と R08ENCPU……が同じ列にまとめられています(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62〜66)。CPU としての処理速度や容量は、数字が同じ機種どうしで共通ということです。
そのため、この記事の表では「R04(EN)」のように書きます。R04CPU と R04ENCPU が同じ値という意味です。違うのは幅・質量・消費電流など、ネットワーク部が一体になっていることによる部分で、これは RnENCPU の章でまとめます。なお、RnENCPU のネットワーク部そのもののハードウェア仕様とプログラミング仕様は、別冊の「Ethernet/CC-Link IE ユーザーズマニュアル(スタートアップ編)」を見るように書かれています(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63・p.66)。
この記事で「R04 以上」と書くときは、R04〜R120CPU と R04〜R120ENCPU をまとめて指します。表を読むときは、まず「R00・R01・R02」と「R04 以上」の境目を意識すると違いが見えやすくなります。
早見表①:処理速度・プログラム容量・メモリ
機種ごとの違いが大きい欄を、処理速度と容量の2枚に分けて並べます。表が画面に入りきらないときは、表の中を横にスクロールして見てください。
処理速度(命令1つにかかる時間)
LD 命令は接点の状態を読み込む基本の命令、MOV 命令はデータを転送する命令です。ns(ナノ秒)はごく短い時間の単位で、数字が小さいほど速いことを表します。ST は文字で書くプログラム言語で、IF・CASE・FOR はその中の条件分けや繰り返しの書き方です。
| 項目 | R00 | R01 | R02 | R04(EN) | R08(EN) | R16(EN) | R32(EN) | R120(EN) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| LD 命令 | 31.3ns | 31.3ns | 3.92ns | 0.98ns | 0.98ns | 0.98ns | 0.98ns | 0.98ns |
| MOV 命令 | 62.7ns | 62.7ns | 7.84ns | 1.96ns | 1.96ns | 1.96ns | 1.96ns | 1.96ns |
| IF/CASE/FOR(ST) | 31.3ns | 31.3ns | 3.92ns | 1.96ns | 1.96ns | 1.96ns | 1.96ns | 1.96ns |
(出典:MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62)
LD 命令の 0.98ns は R04 以上だけの値です。R02 は 3.92ns、R00 と R01 は 31.3ns で、iQ-R の CPU がすべて同じ速さというわけではありません(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62)。R04 から R120 までは、この3つの欄では同じ値です。
プログラム容量・メモリ・プログラムの本数
ステップは、プログラムの大きさを数える単位です。かっこ内はバイトに直した値です。デバイス/ラベルメモリは、デバイスやラベル(名前を付けて使う変数)の値を入れておくメモリの全容量です。
| 項目 | R00 | R01 | R02 | R04(EN) | R08(EN) | R16(EN) | R32(EN) | R120(EN) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| プログラム容量 | 10Kステップ(40Kバイト) | 15Kステップ(60Kバイト) | 20Kステップ(80Kバイト) | 40Kステップ(160Kバイト) | 80Kステップ(320Kバイト) | 160Kステップ(640Kバイト) | 320Kステップ(1280Kバイト) | 1200Kステップ(4800Kバイト) |
| デバイス/ラベルメモリ(全容量) | 252Kバイト | 252Kバイト | 252Kバイト | 400Kバイト | 1188Kバイト | 1720Kバイト | 2316Kバイト | 3380Kバイト |
| データメモリ | 1.5Mバイト | 1.5Mバイト | 1.5Mバイト | 2Mバイト | 5Mバイト | 10Mバイト | 20Mバイト | 40Mバイト |
| プログラム実行本数 | 32本 | 32本 | 64本 | 124本 | 252本 | 252本 | 252本 | 252本 |
| FB ファイル本数 | 16本 | 16本 | 32本 | 64本 | 128本 | 128本 | 128本 | 128本 |
(出典:MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62〜66)
処理速度は R04 以上で同じでしたが、プログラム容量とメモリは R04 から R120 まで段階的に増えます。プログラム実行本数は、CPU が実行できるプログラムの本数です。FB(ファンクションブロック)は、よく使う回路を部品のようにまとめたもので、FB ファイル本数はその部品を入れるファイルの本数です。
このほか、ファンクションメモリは R00・R01・R02 には無く(仕様表では「—」)、R04 以上の容量はファームウェアバージョンや製造情報で異なると注記されています(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63)。容量を気にする場合は、お使いのユニットの版をマニュアルで確かめてください。
全機種で同じ欄
- USB ポート:USB2.0 High Speed(miniB)×1(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62〜63)
- Ethernet ポート:各部の名称に Ethernet ポートがあります(R00CPU は CPUユニット ユーザーズマニュアル p.27、R01/R02CPU は p.29、RnCPU は p.31、RnENCPU は p.33)。仕様の欄は「Ethernet/CC-Link IE ユーザーズマニュアル参照」となっているので、詳細はそちらで確認します(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62〜63)
早見表②:デバイス点数・割込み・コンスタントスキャン
デバイスは、PLC の中でデータを入れておく箱のことです。X・Y・M・D などの種類と使い分けは三菱PLCのデバイス種類まとめ|X・Y・M・L・D・T・Cの使い分けで解説しています。この章の表は、違いが「R00・R01・R02」と「R04 以上」の2つに分かれる欄が多いため、2列にまとめています。
入出力点数は全機種 4096点で同じ
まず押さえておきたいのは、入出力点数は全機種 4096点(X/Y0〜FFF)で同じという点です(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.64〜66)。型名の数字が大きい CPU ほど、つなげる入出力ユニットの点数が増えるわけではありません。入出力ユニットの側の点数はiQ-R 入出力ユニットの型式早見表|RX・RY・RH の点数・電圧・シンク/ソース・応答時間・消費電流【三菱PLC】で型式ごとに見られます。
機種で違うのは、プログラムの中で使える入力 X・出力 Y のデバイス点数です。R00・R01・R02 は 8192点、R04 以上は 12288点で、どちらも固定です(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.64〜66)。
デバイス点数
| デバイス | R00・R01・R02 | R04 以上(EN を含む) |
|---|---|---|
| 入出力点数 | 4096点(X/Y0〜FFF) | 4096点(X/Y0〜FFF) |
| 入力 X/出力 Y(デバイス点数・固定) | 8192点 | 12288点 |
| 内部リレー M(デフォルト) | 8192点 | 12288点 |
| タイマ T/ロングタイマ LT | 2048点/0点 | 1024点/1024点 |
| カウンタ C/ロングカウンタ LC | 1024点/0点 | 512点/512点 |
| データレジスタ D | 12288点 | 18432点 |
| ポインタ P | 8192点(最大16384点) | R04〜R32(EN):8192点(最大16384点) R120(EN):16384点(最大32768点) |
| SFC ブロックデバイス BL | 128点 | 320点 |
(出典:MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル p.64〜66)
ポインタ P だけは、R04 以上の中でも R120 で点数が変わります。ロングタイマ LT・ロングカウンタ LC は、R00・R01・R02 では 0点、R04 以上では 1024点・512点です(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.64〜66)。表の T・LT・C・LC・D などの点数はデフォルトの点数で、パラメータで変更できます(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.65)。
全機種で同じ点数のデバイスもあります(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.64〜66)。
- リンクリレー B/リンクレジスタ W/ラッチリレー L:8192点(パラメータで変更できる)
- インデックスレジスタ Z/LZ:20点(最大24点)/2点(最大12点)
- 特殊リレー SM/特殊レジスタ SD:4096点(固定)
特殊リレー・特殊レジスタの中身は三菱PLCの特殊リレー(SM)・特殊レジスタ(SD)早見表|SM400・SM402・SM412・SD0・SD520 の意味と使いどころ【iQ-R】にまとめています。
割込みとコンスタントスキャン
割込みは、条件が来たときに、ふだんの順番を中断して実行するプログラムです。コンスタントスキャンは、PLC が1周(1スキャン)する時間を一定に保つ設定です。1スキャンの流れはPLC(シーケンサ)の処理の順番|スキャンの流れとEND処理・サービス処理をやさしく解説【MELSEC iQ-R】で解説しています。
| 項目 | R00・R01・R02 | R04 以上(EN を含む) |
|---|---|---|
| コンスタントスキャン | 0.5〜2000ms(0.1ms単位) | 0.2〜2000ms(0.1ms単位) |
| 内部タイマ割込み(I28〜I31) | 0.5〜1000ms(0.5ms単位) | 0.5〜1000ms(0.5ms単位) |
| 高速内部タイマ割込み(I49・I48) | —(無し) | 0.05〜1000ms(0.05ms単位) |
| ユニット間同期割込み(I44)/マルチCPU間同期割込み(I45) | 0.5〜10.00ms(0.05ms単位) | 0.1〜10.00ms(0.05ms単位) |
(出典:MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル p.64〜66)
割込みの種類は、R00・R01・R02 が内部タイマ割込み(I28〜I31)・ユニットからの割込み・ユニット間同期割込み(I44)・マルチCPU間同期割込み(I45)です。R04 以上には、これに高速内部タイマ割込み1(I49)・2(I48)が加わります。ただし、マルチCPU間同期割込み(I45)は RnENCPU では使えません(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.64・p.66)。
全機種で同じ欄
- タイマの時限:低速 1〜1000ms(デフォルト100ms)/高速 0.01〜100ms(デフォルト10ms)/ロング 0.001〜1000ms(デフォルト0.001ms)(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.64)
- プログラム言語(LD・SFC・ST・FBD/LD)と実行タイプ(初期・スキャン・定周期・イベント・待機)(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.64)
R00・R01・R02 と R04 以上で違うところ|バッテリ・停電保持・SDカード
速さと容量のほかに、R00・R01・R02 と R04 以上では、ユニットの作りや使える部品が違います。まず全体を表で見てから、項目ごとに説明します。
| 項目 | R00・R01・R02 | R04 以上(EN を含む) |
|---|---|---|
| データ保持のためのバッテリ | 不要(時計データを10日以上残す場合だけ FX3U-32BL) | バッテリは Q6BAT(ラッチの保持はバッテリレスオプションカセットでもできる) |
| 停電保持(コンデンサ・周囲温度25℃) | 10日(時計データ) | 3分(デバイス/ラベルメモリ、時計データ) |
| SD メモリカード | R00:使用不可 R01・R02:SD/SDHC 最大32Gバイト |
SD/SDHC 最大32Gバイト |
| 拡張SRAMカセット・バッテリレスオプションカセット | 使用不可 | 使用できる |
| 時計精度 | −2.43〜+3.52s/d(0℃) −3.08〜+3.53s/d(25℃) −13.03〜+1.91s/d(55℃) |
−1.00〜+1.00s/d(0〜55℃) |
| 高速内部タイマ割込み(I49・I48) | 無し | 有り |
(出典:MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル p.38・p.40・p.62〜67・p.124)
バッテリ:R00・R01・R02 はデータ保持に不要
R00CPU・R01CPU・R02CPU は、データを保持するためのバッテリが要りません。バッテリを付けるのは、10日以上の長い停電のあとも時計データを残したい場合だけで、そのときはバッテリ FX3U-32BL を装着します(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.38)。ラッチ設定(電源を切っても値を残す設定)をしたデバイス・ラベルの内容は、バッテリなしで停電保持されます(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.124)。
R00・R01・R02 でバッテリを使う場合は、GX Works3 のCPUパラメータ → RAS設定 → 異常検出設定 → バッテリ異常を、デフォルトの「検出しない」から「検出する」に変えます(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.40)。本体には BATTERY LED が無く、FX3U-32BL 用のバッテリ収納スペースとバッテリコネクタがあります(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.27・p.29)。CPU に出たエラーの名前や停止/続行はiQ-R エラーコード検索ツール|三菱PLC(MELSEC iQ-R CPU)のエラー名・停止/続行をコードから引くで引けます。
バッテリ:R04 以上は Q6BAT、カセットで代替もできる
R04 以上のバッテリは Q6BAT です。出荷時はコネクタが外してあり、使い始めるときに接続します(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.40)。本体の各部の名称には、BATTERY LED・バッテリ・バッテリコネクタピンがあります(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.31・p.33)。バッテリで保持するラッチ範囲の設定は三菱PLCのラッチ(停電保持)設定|ラッチ(1)(2)の違い・ラッチクリア・バッテリとバッテリレス【iQ-R】にあります。
バッテリを使わずに保持したい場合は、バッテリレスオプションカセット(NZ1BLC)を装着すると、ラッチ設定したデバイス/ラベルの内容をバッテリなしで停電保持できます(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.124)。R04 以上だからといって、バッテリしか方法がないわけではありません。カセットを装着すると、DC5V の内部消費電流が最大0.15A増えます(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63)。
バッテリ交換の段取りはPLCのバッテリ交換の手順と注意点|プログラム消失を防ぐタイミングと段取りで扱っています。
停電保持:コンデンサの保持時間は 10日と3分
全機種とも、本体に停電保持用のコンデンサがあります。保持時間と保持するデータは次のとおりです(周囲温度25℃のとき・CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63)。
- R00・R01・R02:10日。保持するのは時計データ
- R04 以上:3分。保持するのはデバイス/ラベルメモリと時計データ
R00・R01・R02 の「10日」は時計データの保持時間で、ラッチしたデバイスの保持時間ではありません。どちらの値も周囲温度25℃の条件つきです。
SD カード:使えないのは R00 だけ
R00CPU は SD メモリカードを使えません(仕様表では「—」・CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62・p.124)。R01CPU 以上は SD/SDHC メモリカードの最大32Gバイトに対応しています(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62)。R01CPU・R02CPU の本体には SD メモリカードのスロットと、カードの状態を示す C RDY・C ACS の LED があります(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.29)。小さい3機種がすべて SD カード非対応というわけではない点に注意してください。
カセット:R00・R01・R02 には付かない
次の2つのカセットは、R00CPU・R01CPU・R02CPU では使えません(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.67)。
- 拡張SRAMカセット(NZ2MC-1MBS/2MBS/4MBS/8MBS/16MBS、1/2/4/8/16Mバイト)
- バッテリレスオプションカセット(NZ1BLC、DC5V 0.15A)
時計精度:R04 以上は 0〜55℃で ±1.00s/d
時計精度の「s/d」は、1日あたりに何秒ずれるかを表します。R00・R01・R02 は温度でずれ方が変わり、55℃では −13.03〜+1.91s/d です。R04 以上は 0〜55℃で −1.00〜+1.00s/d です(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62〜63)。
RnENCPU とは|CPU部とネットワーク部の一体型
RnENCPU は、「CPU ユニットの機能を持つ部分」と「ネットワークの機能を持つ部分」が一体になったユニットです(ユニット構成マニュアル p.72)。左側が CPU 部、右側がネットワーク部です(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.24/ユニット構成マニュアル p.36)。
大きさと消費電流
| 項目 | RnCPU(R00〜R120CPU) | RnENCPU(R04〜R120ENCPU) |
|---|---|---|
| 幅 | 27.8mm | 56mm |
| 高さ | 106mm(ベース取付け部98mm) | 106mm(ベース取付け部98mm) |
| 奥行き | 110mm | 110mm |
| 質量 | 0.20kg | 0.40kg |
| DC5V 内部消費電流 | 0.67A | 1.49A |
| 入出力占有点数 | — | 32点(ネットワーク部) |
(出典:MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63)
RnENCPU は2スロット占有ユニットで、そのぶん最大装着台数が1台分減ります(ユニット構成マニュアル p.81)。幅は RnCPU の 27.8mm に対して 56mm です(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63)。
DC5V の内部消費電流 1.49A と質量 0.40kg は、CPU 部とネットワーク部を合わせたユニット全体の値です(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63)。バッテリレスオプションカセットを装着すると、さらに最大0.15A増えます(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63)。電源ユニットの容量に収まるかは、ほかのユニットの消費電流と合計して確かめます。合計はiQ-R 電源ユニットの容量計算ツール|DC5V 消費電流を合計して R61P・R64P などに収まるか判定【三菱PLC】で計算できます。
ネットワーク部は入出力番号を 32点使う
仕様表の入出力占有点数の欄は、R00・R01・R02 が「—」、R04〜R120 の列は RnENCPU(ネットワーク部)の 32点だけが書かれています。RnENCPU のネットワーク部は 32点を占有します(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63)。入出力番号は、自動では 00〜1F が割り付けられます(ユニット構成マニュアル p.111)。
RnCPU の構成と同じつもりで、CPU の右隣のユニットを X00 から数えないように注意してください。スロットと点数から入出力番号を確かめるときは三菱PLC X/Y 入出力番号の計算ツール|スロットと点数から先頭・末尾の番号と K4X0 の範囲がわかる【iQ-R】が使えます。
GX Works3 での選び方と設定
GX Works3 の部品選択ウィンドウでは、CPU 部を「シーケンサCPU」から、ネットワーク部を「CPU拡張」から選びます(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.47/ユニット構成マニュアル p.72)。RnENCPU では、CPU 側の設定に加えて、ネットワークパラメータなどネットワーク側の設定も行います(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.39)。
Ethernet ポートと、使えない割込み
R04ENCPU の各部の名称では、CPU 部に Ethernet ポートがあり、ネットワーク部も示されています(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.33)。ネットワーク部のハードウェア仕様・プログラミング仕様は「Ethernet/CC-Link IE ユーザーズマニュアル(スタートアップ編)」を参照するように書かれているので、通信の仕様はそちらで確認します(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.63・p.66)。
また、前の章のとおり、マルチCPU間同期割込み(I45)は RnENCPU では使えません(CPUユニット ユーザーズマニュアル p.66)。処理速度や容量は同じ数字の RnCPU と同じ列ですが、この点は違います。
条件別に見る欄|自分の条件で表のどこを確かめるか
機種の決め方は、装置の条件や社内の標準で変わります。ここでは「こういう条件なら、表のこの欄を確かめる」という見方だけをまとめます。
| こういう条件なら | 確かめる欄 | 表から分かること |
|---|---|---|
| SD メモリカードを使う | SD メモリカード | R00 は「—」で使用不可。R01 以上は SD/SDHC 最大32Gバイト |
| バッテリを置かずに停電保持したい | バッテリ・カセット | R00・R01・R02 はデータ保持にバッテリ不要。R04 以上はバッテリレスオプションカセット(NZ1BLC)でラッチの内容を保持できる(DC5V が最大0.15A増える) |
| 拡張SRAMカセットを使う | カセット | R00・R01・R02 では使用不可 |
| プログラムが大きくなりそう | プログラム容量・プログラム実行本数 | R00 の 10Kステップから R120 の 1200Kステップまで機種ごとに違う |
| 命令の処理時間を気にする | LD・MOV 命令処理時間 | R04 以上は同じ値。R02、R00・R01 と段階がある |
| 短い周期の割込みを使う | 高速内部タイマ割込み | R04 以上だけ。0.05〜1000ms(0.05ms単位) |
| マルチCPU間同期割込み(I45)を使う | 割込みの種類 | RnENCPU では使用不可 |
| 入出力ユニットの点数が多い | 入出力点数 | 全機種 4096点で同じ。機種で違うのは X/Y のデバイス点数(8192/12288) |
| 盤の幅やスロットに余裕がない | 幅・占有スロット | RnENCPU は幅 56mm・2スロット占有。RnCPU は 27.8mm |
| 電源ユニットの容量がぎりぎり | DC5V 内部消費電流 | RnCPU 0.67A、RnENCPU 1.49A |
| CPU の時計のずれを気にする | 時計精度 | R04 以上は 0〜55℃で −1.00〜+1.00s/d。R00・R01・R02 は温度で変わる |
(出典:MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル p.62〜67・p.124、MELSEC iQ-R ユニット構成マニュアル p.81)
表の値は、この記事で確認した版のものです。採用を決める前に、お使いの取説の版で同じ欄を確かめてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 入出力点数はCPUの機種で違いますか?
A. 違いません。MELSEC iQ-RのシーケンサCPUの入出力点数は、R00CPUからR120CPU、RnENCPUまで全機種4096点(X/Y0〜FFF)で同じです。機種で違うのは、プログラムで使える入力X・出力Yのデバイス点数で、R00/R01/R02CPUは8192点、R04CPU以上(RnENCPUを含む)は12288点です。
Q2. R00・R01・R02CPUにバッテリは要りますか?
A. データ保持のためのバッテリは不要です。ラッチ設定したデバイス・ラベルの内容は、バッテリなしで停電保持されます。時計データは本体のコンデンサで保持され、保持時間は周囲温度25℃で10日です。10日以上の長い停電のあとも時計データを残したい場合だけ、バッテリFX3U-32BLを装着します。その場合は、CPUパラメータの「バッテリ異常」をデフォルトの「検出しない」から「検出する」に変更します。
Q3. R04CPU以上はバッテリが要りますか?
A. R04CPU以上(RnENCPUを含む)でバッテリを使う場合はQ6BATです。Q6BATは出荷時にコネクタが外してあり、使い始めるときに接続します。バッテリを使わずにラッチの内容を停電保持したい場合は、バッテリレスオプションカセット(NZ1BLC)を装着する方法があります。装着するとDC5Vの内部消費電流が最大0.15A増えます。本体のコンデンサによる保持時間は、周囲温度25℃で3分です。
Q4. RnENCPUの幅と消費電流はどれくらいですか?
A. RnENCPUはCPU部とネットワーク部が一体になったユニットで、2スロットを占有します。幅は56mm(RnCPUは27.8mm)、質量は0.40kg(RnCPUは0.20kg)、DC5Vの内部消費電流は1.49A(RnCPUは0.67A)です。これはユニット全体の値で、バッテリレスオプションカセットを装着すると内部消費電流は最大0.15A増えます。
まとめ
MELSEC iQ-R のシーケンサCPU は、RnCPU 8機種と RnENCPU 5機種です。違いは「R00・R01・R02」と「R04 以上」の境目で大きく分かれます。
- 性能仕様は R04 と R04EN、R08 と R08EN……が同じ列。処理速度・容量は同じ数字の機種で共通
- LD 命令の 0.98ns は R04 以上だけ。R02 は 3.92ns、R00・R01 は 31.3ns
- プログラム容量は R00 の 10Kステップから R120 の 1200Kステップまで段階的に増える
- 入出力点数は全機種 4096点で同じ。違うのは X/Y のデバイス点数(8192点/12288点)
- R00・R01・R02 はデータ保持にバッテリ不要。R04 以上のバッテリは Q6BAT で、ラッチの内容はバッテリレスオプションカセット(NZ1BLC)でも保持できる
- コンデンサの停電保持は周囲温度25℃で R00〜R02 が10日(時計データ)、R04 以上が3分
- SD カードが使えないのは R00 だけ。拡張SRAMカセット・バッテリレスオプションカセットは R00〜R02 で使えない
- RnENCPU は2スロット占有・幅56mm・0.40kg・DC5V 1.49A。ネットワーク部が32点(00〜1F)を使い、I45 は使えない
(出典:MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル p.24・p.38〜40・p.62〜67・p.124、MELSEC iQ-R ユニット構成マニュアル p.72・p.81・p.111)
使っている CPU の型名ごとの細かい値や設定画面は、お手元のユーザーズマニュアルで確認してください。
参考資料
- MELSEC iQ-R CPUユニット ユーザーズマニュアル(SH-082487J・三菱電機)
- MELSEC iQ-R ユニット構成マニュアル(三菱電機)
